手中 ページ9
「吹雪さん！！」
「久しぶりだね、氷織ちゃん」
白恋中を出てから久しく会っていなかった憧れとの再会に、Aは衝動のまま吹雪の元へ駆け寄ると勢いに乗って吹雪へ抱きつく。
吹雪も妹弟子の変わらない姿に口元を緩め、Aの頭を優しく撫でた。
「吹雪って…えぇっ！？」
「この人が吹雪士郎さん！？」
かつてイナズマジャパンとして円堂監督と共に戦った現白恋中のコーチ、”吹雪士郎”がこの場にいる事に、新生雷門らは目を丸くして口をあんぐりと開けた。
「吹雪じゃないか！」
「円堂君たちも久しぶりだね」
円堂監督たちも吹雪の姿を目の当たりにすると、仲間との再会に目を輝かせる。
変わらない円堂監督たちの姿を一眼した吹雪は、彼らとの記憶を懐かしむよう口元を緩ませるとAを腕から離した。
「でも、どうして吹雪さんが雷門に？」
「…それは、」
「心配していたぞ、吹雪」
Aの疑問に、吹雪は険しい表情で目線を下に落とす。只事では無い吹雪の様子にAが首を傾げていると、鬼道の淡々とした声色がフィールドに木霊する。
「白恋中のコーチを外され、行方がわからなくなったと聞いていたからな。何があったんだ」
「え…？」
信じられない言葉にAは思わず息を止める。
勿論、この場にいる全員も吹雪が白恋中のコーチを外された事を耳にした途端、各々強ばった表情を見せていた。
だがそれ以上にAは瞳を震わせる程の動揺を隠し切れず、上手く言葉を言い表せないでいた。
「…白恋中は、」
そんな表情を見せるAが目に入ったのだろう。
吹雪も悔やむように歯を食いしばり、重々しく口を開いた。
「白恋中は、フィフスセクターの手に堕ちた」
フェアプレーと名高い名門校がフィフスセクターの手中に収まってしまった。
吹雪からそう語られ、雷門の間に衝撃が走る。
1人1人に重々しくのしかかった言葉が重圧となり苦い表情を浮かべる最中、Aは光を失った目で吹雪に1歩ずつ迫った。
「フィフスセクターの手に堕ちたって…、豹牙は……、豹牙はどうなったんですか…？」
「落ち着くんだ氷織ちゃん」
「ひょうがは…！！」
「氷織！」
白恋中にいる幼馴染みの名前を叫ぶAに吹雪は切羽詰まった声を被せる。
「落ち着いて聞くんだ」
そう言い聞かせると、Aは静かに吹雪の話を聞いた。
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
