白恋中のコーチ ページ8
「にしても氷織に幼馴染みがいたとはなぁ」
対白恋中に向け、倉間と攻守に分かれて練習しているAを浜野が見つめる。
例の豹牙とやらに会えるのが余程嬉しいのか、ボールを蹴るAはいきいきしていた。
「氷織さんが白恋中出身だって事も驚きですよ」
「名門校出身ならあのすっげープレーも納得だよな。ちゅーか狩屋は知らなかったの？最近いつも一緒にいるじゃん」
「俺だってあいつの事なんでも知ってる訳じゃないっすよ」
浜野、速水と同じベンチからAを見つめる狩屋に質問を投げ掛けると、狩屋は元から悪い目付きを更に歪ませる。
「…なんか機嫌悪くね？」
「氷織さんの幼馴染みの話を聞いてから悪くなってますよね…」
「幼馴染み？……ははーん？」
「な、なんすか浜野先輩」
すると、浜野は何か企むようで生暖かい目を狩屋に向ける。嫌な予感を感じ取ったのか、狩屋は浜野から1歩ずつ後退り逃げの体勢に入っていた。
「へぇー？あの狩屋がか〜、なるほどねぇ〜」
「なんすか？」
「狩屋！俺応援してるから！」
「だからなんなんだよ？！」
「浜野君の悪い癖が出てますよ…」
気持ちのいい笑顔を向ける浜野に対し、狩屋が苛立ちを隠さず怒号をあげる。
浜野の生暖かい目を気味悪く感じたのか、狩屋は逃げるようにその場を離れていった。
「…アレ、何話してるんですか？」
一方、狩屋たちのやり取りを聞いていたAは呆れたようにジト目で指を指す。
倉間も浜野の弄りに途方に暮れながらも、狩屋たちを見つめるAの隙を突くと強引にシュートを打った。
「よそ見すんなよ氷織！！」
「あっ！ちょっとずるいですって！」
強引にシュートを打ったためにボールはあらぬ方向に飛んでいく。
そこには雷門の練習風景を眺めていた人物に向かっていて、天馬が咄嗟に危険を伝えた。
だがその人物はボールはぶつかるどころか、コートを靡かせながらボールをトラップしてみせる。
「うん。気持ちのこもったいいシュートだったね」
憧れでもあり、サッカーを始めたきっかけでもある彼の声を、Aが聞き間違えるはずが無い。
反射的にAが勢いよく振り返ると、柔らかい灰色のたれ目と目が合う。
「吹雪さん…？」
「久しぶりだね。氷織ちゃん、みんな」
そこには、白恋中のコーチを務めている吹雪士郎がいた。
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
