新入部員 影山輝 ページ4
「誰？あの子」
「さぁ…？」
「入部希望者らしいぞ」
元気のいい返事をする男の子に首を傾げるAと狩屋に霧野が状況を説明してくれた。
どうやら入部希望者でAと同じ1年生らしく、雷門サッカー部全員の視線を集める。
「名前は？」
「輝です！」
「輝君ね、苗字は？」
「苗字…、それは…あの…そのー…、えーっと…」
音無先生が輝と名乗る男の子の苗字を聞いた途端、男の子は挙動不審になり始める。
一体どうしたのかと全員が顔を見合わせていた時、男の子は意を決した表情で口を開いた。
「影山です！影山輝です！」
苗字を知れて安心したように微笑んだ部員たちとはよそに、円堂監督、鬼道コーチ、音無先生は衝撃のあまり口を開けて固まってしまう。
只ならぬ形相で動揺し始める円堂監督たちに、影山は監督たちの顔色を伺う。
「か、影山？影山って…」
「はい…。影山零治は…僕の叔父です」
「兄さん…」
「そうか」
不安げに見上げてくる音無先生に、鬼道コーチは短い返事を返す。
「氷織ちゃん知ってる？」
「うぅん、私も知らない」
外野からは影山零治について疑問が溢れ出てくるも、10年前の出来事を知っている新生雷門サッカー部員はいない。
「だが何故隠そうとした？」
「それは…、叔父は雷門サッカー部に色々ご迷惑をお掛けしたと聞いています。だから名前を言うと入部は許されないと思って…。
やっぱりだめですよね…！じゃあ、お騒がせしました…」
「待て！」
重い足取りでサッカー部を後にしようとする影山を円堂監督が引き止める。
円堂監督に振り返った影山が見たものは、心の底を見通すような心強い眼差し。
「影山輝、サッカー好きか？」
「ぁ……。……っ、はい！！」
過去に、叔父が雷門サッカー部にした事は到底許されない事だと影山自身もわかっている。
でもそれ以上に、自分の気持ちには嘘をつきたく無かった。
「だったら迷うことはない」
「影山零治が雷門サッカー部にした事は許される事では無い。だが、本当は心からサッカーを愛していた。
…俺たちと同じくらいにな。
何も恥じる事はない。あの人が行き着けなかった所まで、お前が言ってみせるんだ」
「影山輝！お前は今日から雷門サッカー部の一員だ」
「ありがとうございますっ！！」
円堂監督と鬼道コーチに背中を押され、入部を許された影山が嬉しそうにAたちへ振り返る。
「影山輝です！よろしくお願いします！！」
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
