幼馴染との約束2 ページ27
「おい、」
プレースタイルを一転して数日経った頃。
試合を終え、帰ろうとするAを引き止める少年がいた。その少年はAと面識は無く、引き止められる理由もわからず首を傾げる。
「なんでポジションを変えた？」
「え？」
「今までFWだっただろ？この前からずっとDFになってるし、本気でやってないだろ」
初対面なのにプレースタイルを変えたことまで把握している少年はいつからAの事を見ていたのか。
加減をしてプレーしていることに気付いた少年に、Aは淡々と口を開いた。
「だってその方がみんな楽しそうなんだもん」
「え？」
「サッカーはチームプレーだから皆と協力しなきゃいけないって教わったから、私がDFになってゴールを守って、他のみんながシュートを打つの。
だって、その方がみんなも楽しそうだし！」
「そんなくだらない理由でおれに負けたのかよ」
周りと楽しくサッカーがやれるならそれでいいと、子供らしく純粋に笑うAに少年の声色が下がる。
あまりの声量にAの体が跳ねたのにも関わらず、少年は八つ当たりのように歯を食いしばっていた。
「何回もあんたに負けておれは必死に練習したのに、
なんで本気でやってないあいつらにあんたが合わせなきゃいけないんだよ」
話を聞くに、どうやら少年は同じサッカークラブに所属している中の別チームにいるらしく、練習試合で何度もAのチームに負けているようだった。
Aに勝つため一生懸命練習をしたのに、手にした勝利は満足のいくものではなかったのだろう。
「確かに私のチームはサボってる子もいるけど…、でもみんなと楽しくやらなきゃ、」
「楽しむ事を優先してプレーを半端にする事がお前のやりたい事なのか？」
「違う！…ぁ、」
だがAも今のチームが自分の思うようなプレーが出来ないのも事実だった。
"吹雪士郎のようなサッカープレイヤーになる"という夢を叶えるためにここへ来たのに、得られる事はあるものの居心地が悪い。
「で、でも私がまたFWに戻ったら、みんなが…」
なにかに怯えるよう小さく震えるAの拳が呆気に取られる少年の瞳に映る。
陰湿な嫌がらせを受けた頃の記憶が蘇り、行き場を失った子犬のように顔を俯かせるAに、少年は真摯に向き合った。
「だったらおれと練習する？」
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
