幼馴染との約束1 ページ26
「このサッカーチームのコーチをすることになった。みんな、よろしくな！」
吹雪士郎のようなサッカープレイヤーになりたい。
そんな夢を叶えるべく、両親は上手いプレイヤーが集まるサッカークラブへAを入れた。
新しく入ったクラブには数多の幼いサッカープレイヤーが集まっており、その中心にはコーチである男性が自己紹介をしていた。
Aも夢へ近付くための1歩を踏み出したと、未来の自分を思い浮かべては純粋に目を輝かせていた少女だった。
各々自己紹介が終わると早速ウォーミングアップの起訴トレーニングから始まり、ドリブルの基礎や専門用語、ありとあらゆるサッカーに関する事を学ぶ。
その中でもAはずば抜けて物覚えが早かった。
入部して初日に専門用語やルールを完璧に覚え、ドリブルは勿論、シュートまで出来るようになった。
コーチも物覚えが良いAも褒め称え、チームメイトもAに尊敬していた。
……最初、だけは。
「氷織！1人で突っ走るな！もっと周りを見ろ！」
「3番にパスだ氷織！結果的に上手くいったのはいいが万が一相手にボールを取られたらサイドががら空きになる！」
「いいか？氷織。確かにお前は凄いプレイヤーになるだろう。でもサッカーはチームプレー、仲間と協力して勝たなきゃいけないんだ」
サッカーの才能も開花させたAに、周囲はついていけなくなっていた。
あまりに突飛し過ぎたプレー、自分がついていけない格差にチームメイトはAが独りよがりのプレーをしていると思い始めてしまった。
中にはAの才能を妬み、嫌がらせをする子も。
仲間であるはずなのに、嫌悪感を募らせた目を向けられる。自分がやりたいサッカーでこんな目に遭うぐらいなら、
「氷織、"周りに合わせてプレーする"んだ、いいね？」
「……はい」
自分を殺すぐらいどうってこと無かった。
必殺技も使わず、この時からオールラウンダーであったAはFWからDFにポジションを変更。
点を入れられないよう素早い身のこなしで相手からボールを奪い、チームのサポートに徹する。
レベルの違いから独りよがりのプレーになっていたAが、周囲にペースを合わせたことで勝ち取った勝利に全員が満足気に笑う。
(みんな勝てて嬉しそう、これでいいんだ)
みんなが楽しそうならそれでいいと、何処かポツンと空いた心を見て見ぬふりする。
「……、」
そんなAを遠目から見つめる少年の姿があった。
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
