幼馴染との出会い ページ25
「狩屋くんは何にするの？」
「んー、やっぱバニラっしょ」
「じゃあ私はチョコにしよっと」
帰り道に通り掛かったコンビニに立ち寄った2人は、冷凍食品売り場で各々アイスを購入する。
早速買ったアイスを食べるべく、近場の公園にあるベンチに腰を掛けた2人は久々に食べるアイスに子供らしく頬を和ませた。
「そういや北海道でもアイスって食べるの？寒い地域だからあんまりイメージ湧かないけど」
「家庭にもよるだろうけど、私の家ではお風呂上がりに食べることが多かったよ」
「へぇー、やっぱどんな寒い所でも冷たいものって食べるんだな」
他愛もない会話を繰り広げながら、夕暮れの元でアイスを食べるAと狩屋。
夕方のためか、普段は子供たちで賑わっている公園も人気が少なく、2人の話し声だけが公園に浸透する。
「そうね。豹牙も同じだったし影響された面もあるかも」
その時、Aが言った豹牙という言葉が狩屋からするとやけに大きく主張された。
どうにも狩屋はAの口から聞く幼馴染の名前に一々胸が騒ぎ出してしまい、何処か落ち着かなくなってしまう。
「その、幼馴染君ってさ、」
「うん」
「どういうきっかけで出会ったんだよ？」
この胸の騒ぎようはなんなのか。
その正体に繋がるかすらわからないが、Aとその幼馴染の出会いに意識が向いた狩屋が恐る恐る伺う。
Aはキョトンとしたものの、懐かしむよう緩んだ表情を見せる姿に狩屋はアイスを食べるのを止めた。
「豹牙とは小学校に上がる前に入っていたサッカーチームで出会ったチームで、私が初めて出来た親友でもあるの。
…だから、どんな時も一緒に居てくれたんだ」
あの日、出会った時を忘れるはずがない。
実力差からチームメイトに妬まれ、ろくにコミュニケーションが取れず孤独になってしまったAに、唯一対等に向かい合ってくれた幼馴染の姿を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
