大切な人 ページ24
「＿りやくん、狩屋くん！」
「ぁ、」
「ぼーっとしてどうしたの？大丈夫？」
結局答えが出ずに時は過ぎ、Aと練習をする放課後になった時。
無意識の内に呆然としていたようで、顔を覗き込んでくるAに何度も名前を呼ばれ、狩屋は漸く我に返った。
「あぁ、大丈夫」
「ほんとに？」
「大丈夫だって。ほら、取ってこいよっと！」
「ちょっと！遠くに飛ばし過ぎ！」
わざとボールを遠くへ飛ばした狩屋に一言言いながらAは走ってボールを取りに向かう。
距離が離れ、段々と小さくなっていくAの背中を見つめながら、狩屋は自分がAを気に掛けている理由を考えていた。
(別に霧野先輩に頼まれたからでもないし、頼まれる前から俺は決めていた。
…じゃあ、その決めたきっかけはなんなんだ？)
同じ人を信用出来なかった仲間として同じ匂いを感じたのだろうか。
確かにそれもきっかけの1つかもしれない。
(俺の本性を知っても尚、変わらないでいてくれたからか？)
化けの皮が剥がれた自分を信じてくれたからか？
似たようなプレーだからこそ噛み合った試合が出来たからか？
幾つもの心当たりが思い付くが、逆にそれが仇となり余計に頭が混乱してしまいそうになる。
…いや、違う。
(全部だ。俺が感じたもの全てなんだ。
同じ他人を信じれないから、同じプレーが出来るから、
俺の本性を受け入れてくれたから、
今までそんな人、いなかったから)
全てに当てはまる人なんていなかった。
両親の会社が倒産して、11歳に孤児院にやってきた狩屋は他人なんて信じようともしなかった。
(でもお前に出会って変わったんだ。
初めて出来た"大切な人"なんだ)
狩屋を産んだ両親でも、そこらにいる雷門生徒でも無い。
Aだからだ。
だから何があってもそばにいる。
そう心に決めた狩屋は、ボールを持ってやってきたAに口元を緩ませる。
「…？、なんで笑ってるの？」
「んー？別に？」
「そう？」
「それよりさ、後でアイス食いに行かない？」
「いいけど、どうして急に？」
「いいだろ別に。食べたくなったんだよ」
練習で消耗したエネルギーを体が欲しているのか、急激に甘い物を求める狩屋にAは呆れたように方を窄める。
「もう、太るよ？」
「氷織ちゃんに言われたくねー」
「なによそれどういうこと！？」
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
