惹かれる何か ページ23
「ん？」
昼休憩も終わる頃、移動教室に向かっていた狩屋は目の前に立ちはだかる人物に足を止める。
それはAの実力、そして化身使いである事をいち早く気付いた剣城。
狩屋の前に立ち塞がった剣城は元より鋭い目付きを更に磨き、その姿はまるで狩屋の首筋に刃先を向けるようだった。
「なんの用？剣城君」
「……っ」
「…氷織ちゃんならとっくに理科室に向かったけど、連れて行ってあげようか？」
2人はこれといって仲が良いとも言えない、単に同じ部員の仲間であることはお互いにわかっている。
そんな自分に剣城がわざわざ出向いたという事は、十中八九Aに関する事だろうと狩屋は気付いた。
案の定的を射抜かれた剣城に、狩屋は挑発するように笑う。
「あいつの様子はどうだ」
「剣城君もかよ。別に＿＿」
狩屋の挑発も気に求めず、聞き飽きる程のAの安否を気遣う言葉に狩屋は肩を窄めた。
何ともない、いつも通りだと言おうとした言葉を紡ぐと、狩屋は密かに悪い笑みを浮かべる。単なる興味本位と、本来の性格の悪さが魔を刺した。
「あー、ちょっと傷付いてたかな？」
「…そうか」
本来は傷付いているどころか他人の発言など気にしている余裕すら無かったが、剣城の言葉に追い打ちを掛けられたのも確かだ。
狩屋が悪戯に少しばかり話を膨らませると、剣城は僅かに歯を噛み締める。
「ま、今はサッカー部全員にそっとしておいて欲しいみたいだし、謝るとかはまた今度の方がいいかも」
「お前はどうしてそこまであいつに肩入れする？」
そう立ち去ろうとする狩屋を、剣城の疑問が踏みとどまらせる。
脳裏に剣城の発言が自問自答のように繰り返され、言葉に言い表せないようなもどかしい気持ちばかり蓄積されていく。
「あいつを単なる遊び道具と思っていた割には随分と気に入っているみたいだな。
…霧野さんにも、おもちゃを取られたくないガキのように邪魔しているように見えたが？」
「…へぇ？剣城君にはそう見えたんだ？」
「誰が見ても明白だとは思うが」
確かに剣城の言う通り、Aはいじると反応が面白い遊び相手としか思っていなかった。
ところが強引なプレーを目に付けられ、霧野と同じく注意を向けてきた当たりからどんどん興味を惹かれていった。
最初は、単なる興味本位。でも、
「類は友を呼ぶってやつ？」
「…何が言いたい」
「…さぁ？」
正直、俺でもわからないや。
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
