寂しいサッカー ページ22
「A、今日の練習の事なんだけど、」
「…っ」
「A！」
Aが練習に来なくなって2日が経った頃。
天馬がいつものようにAに声を掛けるが、逃げるように素通りしていく。
朝も出会えば一緒に登校していたのに、それすらも避けているのかAはあの日から遅刻ギリギリに登校するようになっていた。
休み時間も女友達と一緒に居たり、タイミング悪く狩屋に声を掛けられたら隙に逃げられたりと、天馬は中々Aと話し合うタイミングを掴めないでいるばかり。
今日こそはと声を掛けられたのつかの間、まさかの素通りをされた天馬は悲しげな表情を浮かべる。
「吹雪さんが言っていたこと、本当なのかな…」
「信介…」
吹雪が言っていた"Aは雷門を信用していない"。
Aの過去の経験からそうなってしまったとはいえ、Aを信じている反面、ここまで話すチャンスを与えられないと根っから信じられていないのではないかと、信介は不安になっていた。
「そんなはずない！Aはおれたちと一緒にフィフスセクターと戦ってきた仲間だもん！
例えAがおれたちを信じていなくても、おれはAを信じる！」
「天馬、」
「だからおれは、Aがいつサッカー部に戻ってきてもいいように居場所を作ってあげるんだ」
信じて待つことの大切さ。
それは帝国学園戦でアルティメットサンダーが成功せず、絶体絶命の窮地にいた際にまるで救世主のように現れた剣城で学んだ。
剣城が雷門に仲間として入ってきてくれた時のように、いつしかAも本当の仲間として戻ってきてくれることを、天馬は信じていた。
「…そうだね。ここで僕たちがくよくよしていたら、それこそAが戻って来づらくなっちゃうよね」
天馬の声に感化されるよう、信介もAを信じて待つ事を心に決める。
その様子に天馬は安心したように微笑んでいる最中、ずっと暗い顔をしていた葵が不安げに顔を上げた。
「でも、Aはずっとどんな思いでサッカーしていたのかな…」
帝国学園や海王学園、月山国光ではどんな思いでボールを蹴っていたか。
A自身では無いため彼女の本心はどうかわからない。
ただ1つ言える事があれば、
「ずっと寂しいサッカーをしていたんだと思う…」
独りのサッカー程、辛いものはない。
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
