心に決めたこと ページ18
「うっわ。殺風景」
「殺風景で悪かったわね！」
夕食を食べ終えた後、Aの部屋に案内された狩屋の率直な感想にAは青筋を立てた。
勉強机に大きな本棚、ベッドにサッカー関連の物が置かれた棚、至ってシンプルな室内。
一言余計なのにも関わらず、狩屋はAの室内を見渡す。
「へぇ〜、ほんとに天才っ子なんだね」
殺風景な室内で一際目立つ数多のトロフィーや賞状が並べられた棚を、狩屋が一つ一つ興味深そうに眺める。
すると、ベッドボードに置かれた写真が目に入った。
「これ、例の幼馴染君と撮ったやつ？」
「うん。同じサッカーチームに入って優勝した時の写真」
「ふーん」
それはAと幼馴染が肩を組んで笑顔で撮った写真であり、Aがサッカーを心から楽しいと思っていた最後の写真だった。
狩屋をそれをじっと見つめた後、すぐに興味を無くしたのかラグの上に座り込む。
「で？どうすんの？」
「どうするって？」
狩屋の言葉にAが首を傾げているとノック音が室内に響く。
どうやら母親がデザートを持ってきてくれたらしく、2人分の手作りプリンを受け取ったAがテーブルに並べる。
「どうするって練習だよ。氷織ちゃん飛び出して来ちゃったし、さも何もありませんでしたみたいに部活に顔出すのかよ」
「それは…」
みんなの視線に耐え切れず、逃げ出したAが当然部活に顔を出せるはずが無かった。
化身を隠していた事もさながら、みんなを信じていないことも恐らくバレている。
「…部活には顔を出さない」
「え。じゃあ白恋中に向けて練習はどうするんだよ」
「…独りで練習する」
「独りでって、そんなの練習になんないだろ」
「仕方ないでしょ。私が行っても場の空気が悪くなるだけよ。狩屋くんにも練習があるだろうから…無理に私に付き添わなくていい」
「でも、」
「いいよ。独りは慣れてる」
「…っ」
プリンを食べながら淡々とした言葉に、狩屋は口を固く結ぶ。これ以上狩屋が何を言おうと、Aは根を曲げるつもりは無いのだろう。
だがみんなに嘘をついていた自分を、もう仲間と思われていないと思い込んでしまっているAを狩屋はどうしても放っておけなかった。
『今度はお前が支えてやるんだ』
霧野にそう言われたから？
『ナイス狩屋くん！』
本性を知っても受け入れてくれたから？
(違う。俺は＿＿＿)
「じゃあさ、こういうのはどうよ？」
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
