探すべき人 ページ15
「あぁでも、そうしたら豹牙に怒られたんだっけ…」
「豹牙って、氷織ちゃんの幼馴染みだよな」
Aの待受画面に設定されていたあの写真に写っていた少年が、Aの幼馴染みなんだろう。
「うん。豹牙も私と同じサッカーの才能はあるんだけど…
如何せん直情的な性格だから、私とはまた違ってチームメイトと上手くいってないの。
でも豹牙だけは私に対等に接してくれたし、全力でサッカーが出来る唯一の相手で、豹牙に"俺の前だけは隠し事をするな"って怒られた。
だから私は豹牙を守りたい。その為に私は雷門に来た」
「氷織ちゃん、」
「豹牙と、私たちの居場所である白恋中さえフィフスセクターから守れれば、あとはどうだっていい。
あとのみんなは…信用できない。どうせみんな同じなんだから」
周りの環境によってここまで追い込まれてしまい、人を信じれなくなったA。
剣城を叱咤させたのも、雷門のプレーに協力したのも、狩屋の嫌がらせを受けていた霧野の肩入れも、全て幼馴染みと白恋中を守るために利用していたため。
……本当に、心からそう思っているのだろうか。
「俺さ、11歳の時に孤児院に預けられたんだ」
「え？」
空を見上げながらそう語る狩屋に、Aは顔を上げて狩屋を見つめる。
その顔はいつものつり目で剣呑な顔付きと違い朗らかだった。
「親は会社を騙されて倒産した後、俺は孤児院に預けられる。当然他人なんか信用出来なかった。
雷門に入った時も無条件に信用してくる奴らなんか見下してた。…でも、」
浅葱色の髪が、心を浄化させたように風で揺れる。
入部当初の猫を被って、自分を守るために攻撃的だった狩屋はもういない。
「サッカー部に入ってさ、シードって嘘ついてた俺に疑いなく信じてくる天馬君や霧野先輩たちを見てたら、一々疑うのも馬鹿らしくなってくんだよな。
それは俺より前から入部してる氷織ちゃんもわかるだろ？」
「……っ」
「ま、要するにさ、その…、…あーもー伝われよ！
なんでこういう時鈍いんだよお前！」
「は！？なんで急に怒られなきゃいけないわけ！？」
自分が何を言おうとしているか理解したのか狩屋はどんどん顔を赤く染めていく。
Aも理不尽に怒られた事に腹を立てると、狩屋は勢いよく立ち上がった。
「全員信じなくても、誰か1人でも信じれる人を見つけたら違うんじゃねぇのってことだよ！！」
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
