合わせたプレー ページ14
「……」
「……」
お互いに気まずい空気が流れる中、話をしようと狩屋に提案され、Aも俯いたまま小さく頷くと木の影まで移動する。
Aを座らせると狩屋も一定のスペースを空けて隣に座った。
伏せられたAがどういった表情を浮かべているかはわからない。
ただ、今のAを放っておけなかった狩屋は珍しく慎重になっていた。
「…あのさ、なんで化身を使わなかったか聞いていい？」
「……」
「…言いたくないなら、別に＿＿」
「わたしは、」
無理して言わせるつもりは無い、そう伝えたのにAは重々しく口を開いてくれた。
狩屋は一瞬呆気に取られたものの、Aの話を黙って聞く。
「私は昔からなんでも出来る才能に溢れた子だって言われた。
色んな賞状も貰ってお母さんやお父さんは凄く褒めてくれた。
でも…周りは違った
最初は凄いねって言ってくれたけど、学年が上がるにつれてそれは嫉妬に変わっていった。
友達からも距離を置かれて、別世界の人間を見つめるような目で見つめられる。
…それはサッカーでも同じだった」
雷門に在学している時も、狩屋はAに勉強面でも世話になったことがある。
お互いに余計な一言を浴びせながら一緒に勉強した記憶も新しい。
「吹雪さんに憧れて、サッカーチームに入ってサッカーを始めて、必殺技も吹雪さんの技を見様見真似でやったら完成してって、…早くも化身に目覚めて。
実力を付けた私に、みんな答えてくれなくなった。
"お前とやるとつまんない"、
"腕に違いがあり過ぎて話にならない"、
"お前のパスなんか取れっこない"…だってさ。
私が通っていたサッカーチームの監督にも、サッカーはチームプレーなんだから"周りに合わせてプレーをしなさい"って言われて、言う通りにしてみたの」
「おい、それって…」
「するとみんな私と連携を取れるようになって、みんなとサッカーができるようになった。だから私思ったの」
"あぁ、これでいいんだ"って。
「…ッ」
光を宿していない瑠璃色が狩屋の目に留まる。
普段の狩屋なら、悪いのはAの腕に追いつこうと努力をしなかったチームメイトたちだと、声を荒らげていただろう。
だがそれ以上にAの今の姿に言葉を失っていた。
「化身や実力を騙って、みんなに合わせてプレーする。
それで独りじゃないサッカーが出来るならそれでいいの」
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もも(プロフ) - 1から読ませて頂きました！とっても面白くて好きです！夢主ちゃんと雪村くんの再会が楽しみすぎます！3月になり忙しいと思いますが、頑張って下さい！応援してます！ (3月1日 22時) (
レス) id: 4847ed5667 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 素敵な作品ですね。更新頑張ってください。 (2月22日 16時) (レス) id: c510f125c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 狩屋と夢主ちゃんが木暮くんと春奈ちゃんみたいでかわいい！ (2月22日 9時) (レス) @page5 id: e35ef3ea0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei | 作成日時：2024年2月10日 18時
