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過去編 1-1 ページ9

ー12年前の春ー

私は晴れて、第一志望であった高校に入学することができた。
全国的にも有名な進学校で頭の良い人達が集まるため合格できるか不安だったが、頑張った甲斐があった。

父は当初、私立の女子校へ入って欲しいと言っていたが、熱意が伝わり、最終的には快く私の選択を受け入れてくれた。



入学式を終えて初めての登校日、この日は午前中に新入生歓迎会が行われ、私は代表として挨拶をすることになっている。
ウチの学校は生徒数1000人を超えるそこそこ規模のあるところで、そんなに大勢の前で話すのは初めてだ。

大事なところでミスをする私は、挨拶を頼まれた日から何回も何回も原稿を書き直し、家族にも付き合ってもらって練習を重ねてきた。


(大丈夫、自信を持て、A!)
そう言い聞かせ、登壇した。







結果、練習通りに落ち着いて喋ることができた。
先生方や友達からも褒めてもらえてよかった、練習した甲斐があったな、、、、


と思ったのも束の間、午後のホームルームで自己紹介があることをすっかり忘れていた。
先生が「面白いのを期待してるぞ〜笑笑」なんて圧をかけてきたから、余計不安だ。
こういう時、私はそういうネタが全く思いつかない。

結局何も面白いことは思いつかないまま、ホームルームの時間になってしまった。

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作者名:rei178 | 作成日時:2021年2月21日 12時

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