過去編 3-7 ページ45
名前を呼んだのは同じクラスの安達君だ。
なにやら凄く焦っている。どうしたんだろう。
安達 「佳子を見なかったか⁉」
佳子というのは彼の彼女で、小柄でとても可愛い子だ。私と降谷も1年のとき同じクラスだった。
A 「佳子がどうしたの?」
安達 「俺が会計をしてちょっと目を話した隙に、いなくなっちまったんだ!
もし彼女に何かあったら、、、、!!」
降谷 「何分くらい前のことだ?」
安達 「5分くらいかな、、、。
さっきからずっと走り回っているんだけど、全然見当たらなくて、、、、!」
それはかなりマズイ。
佳子はよくナンパをされる。
しっかりと断ればいいのだが彼女はそれができない。
押しに負けて連れて行かれそうになった事が何回もある。
降谷 「わかった。俺たちも探してみる。
見つかったら連絡をくれ。」
・
降谷と私で一緒に探し回ったが、なかなか見つからない。
どこにいったんだろう。
5分前じゃ、そんなに遠くにはいけないだろうに、、。
降谷 「A、ローファーで走りづらいだろ。
俺はこの通りを調べてくるから、ここで待ってろ!
いいか、何があっても絶対に動くなよ!!!」
そう言うと彼はいってしまった。
疲れていたのでその場にしゃがみ込む。
ふと、道に落ちているキーホルダーに目が止まった。
拾ってみるとやっぱりそうだ。
佳子のものに違いない。
前に彼女が安達君と初めてのデートでお揃いで買ったと自慢していたもので、お互いのイニシャルが刻まれている。
彼女はこの近くにいるのか、、、?
あたりを見渡すと、人気のない暗い路地が少し離れたところにあった。
私は荷物をその場に置き、そこに入った。
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作者名:rei178 | 作成日時:2021年2月21日 12時