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[安室透に接近する]
この目標を立ててから既に3週間が経過している。
職場での人付き合いや各方面への挨拶など、とにかくやる事が多くてポアロに行く時間が取れずにいた。
明日は久々に1日空いている。
これを逃すと次はいつになるか分からない。
結衣には悪いが、朝一番で行ってみることにした。
梓 「いらっしゃいませ!
お好きな席にどうぞ!!」
朝一に行くはずが寝坊をしたせいで15時の到着になってしまった。
相変わらず梓さんは笑顔で迎えてくれた。
安室さんはというと、キッチンで仕込みをしている。
こちらをチラッとみて「いらっしゃいませ」というと、すぐに作業に戻った。
お客さんは私ともう1人の方しかおらず、安室さんに色々聞くには絶好のチャンスだ。
一番端のカウンター席に座り、「ハムサンド、お願いします!」と言うと
安室 「かしこまりました。
少々お待ちください。」
と言って準備を始めた。
他のお客さんと同様の笑みで私にも接客してくれるが、明らかに避けられている気がする。
A 「安室さんはおいくつなんですか?」
安室 「29です。」
A 「そうなんですね!私も今、29なんです。
同級生ですね!」
「そうですか。」と彼は言って、会話は終わってしまった。
前回来た時、安室さんはもっと話してくれた。
でも今回はどうだ。
必要最低限のことしか答えないし、会話が全然盛り上がらない。
避けられている「気がする」ではなく避けられている。
これ以上彼に質問するのは苦しいし、私はそこまでのトーク力を持ち合わせていない、、、。
万事休す!!!
そのとき
? 「安室の兄ちゃん!
ケーキ食べに来てやったぞ!!!」
ランドセルを背負った子どもたちが入ってきた。
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作者名:rei178 | 作成日時:2021年2月21日 12時