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「この飛行機は、ただいまからおよそ20分で羽田空港に着陸する予定です。」

客室乗務員のこの声で私は目を覚ました。

窓の外を眺めても海上を飛んでいるため、まだ日本に帰ってきたという実感が湧かない。
父の仕事の都合で海外に行ってから10年、1度も日本に戻ることはなかった。
でも、友人たちはそんな私にずっと連絡をくれていた。

ただ1人を除いて。

数年前のある日を境に、突然あの人からの連絡が途切れた。
色々な可能性を考えた。
単に私が嫌われたか、スマホが故障したか、
それとも、、、

死んでしまったか



『こんな事になるんじゃ、あの時気持ちを伝えておけば良かった』



何回そう思ったことか。

失笑していると、東京の街が見えてきた。
私がいた頃とは比べ物にならないくらい、多くのビルがそびえたっておる。
でも、感じる。
日本のにおいがする。
懐かしい、温かい感じがする。

ああ、わたし


A 「帰ってきたんだ」

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作者名:rei178 | 作成日時:2021年2月21日 12時

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