眠れぬ夜のお家での話。 ページ8
『fk、ab、kj』fk side
fk「照ごめんね〜迎え助かった」
iw「全然いいけど連絡してよ。帰ってこないかと思った」
玄関をあけてリビングに向かう途中、後ろから抱きしめられた。少し寂しかったのか力が強い俺の恋人。
iw「なんで翔太の家？しかも阿部と康二も」
fk「んー？彼女組で恋バナ！」
iw「彼女組？あー、ふっかが最近作ったグループのやつか」
fk「そう、あ、ありがとう」
いつものことのように、お酒が入ってる俺に出してくれるコーヒーも今日はなんだか倍に嬉しい。
iw「なんか嬉しそうだね」
fk「いやぁなんか、みんなの話聞いてたらさ。俺も初々しい気持ちになったのよ」
iw「ふーん、どんな感じ？」
fk「んー？あー、やっぱり俺は照が好きだなぁとかさ、人に話せば話すほど会いたくなったりとか…ん」
iw「いつも思っててよそれは」
fk「…こうやってさらっとされるキスも、なんか新鮮な気持ちになってんのよ、俺は」
iw「ふふ」
fk「なんだよー」
iw「なんか俺も新鮮な気分」
fk「なんだそれ〜…」
iw「そういえば、みんなといるのに電話かけてきたの？」
fk「そう！あべちゃんがゆり組のイチャイチャが見たいって言うからさ、巻き添えだよ」
iw「んー、でも翔太たちは普通なんじゃないの？」
fk「会話は普通よ、会話は」
iw「会話？他に何が違うの？」
頭にはてながいっぱいの恋人を可愛く思いながら、舘様に電話をかけてる翔太を思い出す。
柔らかい微笑みといつもより優しいトーン。
何にもないなんて嘘。めちゃくちゃ舘様のこと好きなのバレバレだけど、本人は自覚なし。
fk「……可愛かったな、なべ」
iw「ふっか？」
fk「な、え、あ」
iw「怒るよ？」
fk「いや違くて！」
iw「何が違うの？」
拗ねた顔で抱きついてくる照の重たい嫉妬も今日はいつもより可愛く思える。
fk「なべ、すごく恋してるんだなって」
iw「うん」
fk「それが可愛かったからさ」
iw「…うん」
fk「俺のこと大好きな照も、可愛いなって…」
iw「…恥ずかしいからやめて」
fk「…かあいいねぇ…本当に」
柔らかい髪の毛を撫でる。
ねえ照、今日はもう少しだけお話ししようよ。
初々しい2人にあてられた俺の気持ちを再確認してみて。
そしたら君はきっといつものしわくちゃな顔で
微笑んでくれるって分かってる。
その顔がまた、好きを増やしていくんだよ。
fk「照、好きだよ」
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作者名：stanley | 作成日時：2023年7月16日 1時
