すのまんまの9人 3 (ページ43)

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君は僕の全てページ43

『ru × mm』 ru side

どこかも分からない建物の屋上で1人。
見えない星を探している。

見上げてる先が、本当に空なのかも分からないくらい暗いのに、それを空だと信じてやまない。

そんな僕の胸はぽっかりと空いていた。
触ったらそこは冷たくて風が通り抜けていく。

それが夢だと気づいたのは、
涙が頬を伝ったことで目が覚めた時だった。

ru「…ふぅ。まただ」

同じ夢を見続ける。
前はいなくなった先で大事な人と手を繋いでる夢だったのに、最近はもっと残酷だ。

真っ暗な中に1人だけ、見えない星を探す。
孤独で寂しい夢。

原因は分かってる。
忘れられない片想いをずっと拗らせてる。

2人のことが大事だと認めるたびに、そうじゃないだろって思う僕が出てきてどんどん捻くれていくのが分かる。

そしてまた陥る自己嫌悪。

ru「ほんと…やだな…」

康二くんと幸せそうに笑うめめを見るたびに、なんでそこが僕じゃないんだろうって考える。
まだ子供だからとかそんな理由はもう通用しない。

僕は二十歳になってしまったから。

諦める理由を一つ無くした。

ベッドを出て、スマホを見る。
めめから連絡が来ていた。

mm『久しぶりに散歩いかね？』

心が跳ねた。
ドラマや雑誌で忙しいめめからの散歩の誘いはすごく久しぶりでワクワクした。

何を着ようか、どんなどこに行こうか。
気合いが入ってるようには見られたくなくて、結局無難は服を着て出かけた。

帽子を深く被って、ゆるい服を身にまとっていても、結局めめはめめのままでかっこいい。

mm「おう」
ru「ごめん、待たせた」
mm「大丈夫。どこいく？」
ru「その前にコーヒー買いに行こうよ」
mm「お、いいね」
ru「うん」
mm「康二と前に行ったとこが近いからそこ行こ」
ru「っ…うん」

当たり前にでるその名前に、胸が痛くなる。

やっぱり断ち切れない。
メンバーとしての兄みたいな存在への気持ちじゃない。

間違いなくこの気持ちは恋だと自覚する。
一緒にいればいるほど、めめが康二くんを見つめるほど。

僕はどんどん独占欲を濃くしていく。
康二くんより僕を見てほしいと願ってしまう。