すのまんまの9人 3 (ページ37)

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目が覚めたら泣いていた。
せっかく見つけたのに、目が覚めたら何もなくて会いたい人はいなかった。

午前1時
思ったより深く眠っていたのか、変な時間に目が覚めてしまった。スマホにはたくさんの通知。

nb『今日行けるか分からない』
nb『ドラマの人たちとご飯行く』
nb『今から行けそうだけど、どう？』
nb『涼太？』
nb『なんかあった？』
nb『おーい』
nb『大丈夫か？』

何時間かおきに来ている連絡にじわじわと愛を感じる。

少し震える手で通話ボタンを押す。

prrrrr…prrrrr…

nb「はい」
dt「あ…もしもし」
nb「ん、もしもし」
dt「ごめん、連絡できなくて」
nb「んーん、体調は大丈夫？」
dt「うん、ちょっと息苦しかったけど、寝たら大丈夫になった」
nb「あー、そうなんだ。あ、すいません、ありがとうございます」

優しい舌足らずな声の後ろにレジの音や車の音が聞こえる。

dt「こんな時間に外？」
nb「うん、ドラマのメンバーで飯行ってたからな」
dt「そっか。遅いから早く帰りなよ」
nb「うん、もうすぐ家」
dt「そっか…」
nb「そう。だからさ」
dt「ん？」
nb「開けてくれる？玄関」
dt「え？」

インターホンを見ると、バケハを深く被ってあたりをキョロキョロする可愛い人が映っていた。

dt「翔太」
nb「おう、入っていい？」
dt「う、うん」
nb「お邪魔します」

スタスタと自分の家みたいに入っていく。

dt「もう遅いけど、どうしたの？」
nb「…飯食ってたら、涼太から会いたいってきたからじゃあ行こうかなって。ダメだった？」
dt「…ううん、嬉しい。ありがとう」
nb「…ん。この前プリン買ってきてくれたからこれ」
dt「ん？あ、ゼリー？」
nb「体調悪いのかと思って」

少し恥ずかしそうにそんなこと言うから胸の奥がキュってなる。

dt「ありがとう」

ぎゅっと抱きしめると、静かに服を掴む。
会いにきてくれるのは男らしくてかっこいいのに、こーゆう時は可愛いからずるい。

2人で、買ってきてくれたゼリーを食べて少しのんびりしていると気づいたらそろそろ2時半になる。

dt「翔太」
nb「ん？」
dt「帰らなくて大丈夫？明日も仕事だよね？」
nb「あー…泊まろうと思って。」
dt「そうなんだっ…え？」
nb「え？泊まろうと思って。ダメだった？」
dt「ダメじゃないけど…下着とかそーゆうの」
nb「買ってきた。風呂だけ貸してよ」
dt「…いいけど」

翔太のことがわからないまま、とりあえずお風呂を沸かす。