すのまんまの9人 3 (ページ30)

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ふっかさんが仕事前に家に寄ってくれたおかげで、薬も飲めたしご飯も少しだけ食べれた。

それでもまだまだ治らなくて、意識はまた遠のく。

また、同じ夢の中に落ちていく。

夢の中のめめは、一切動かない。
いつもみたいに笑いかけてくれたり、抱きしめてくれるわけでもない。でもなぜか嫌な気持ちにはならない。

横向きに寝るめめの体の上に寄りかかると暖かくてそれだけで安心できた。
いるだけで安心できる。なのに指輪は知らないものでそれが何を示すのか分からないまま。

悪夢なのか、良い夢なのかの判断もつかない。

kj「…めめ…っ」

目が覚めて起きたら、涙が溢れた。
寂しいのか悲しいのか、幸せなのか。

分からないまま頭痛を抑えて、諦めて体温を測ると
39度あって薬が効いてないことに落ち込んだ。

kj「…はぁ…辛いな」

ため息をついて熱のせいで痛くなった関節を紛らわすために横を向くと、ベッドサイドに置いておいた椅子でうたた寝をしている恋人が目に入った。

kj「え？めめ？」

起こさないように、こっそり顔を覗く。
静かに寝息を立ててるその顔は少し痩せていてクマができていた。

多忙な毎日の中で急激に痩せる時があるとは聞いていたけど思ったより、疲れた顔をしている。
ついこの間、頼りにして欲しいなんて言ったのに。
先に俺がダウンしてたら守れないと泣きたくなった。

ベッドサイドに置いてあるケータイで時間を確認しようと、探すと自分のでは無くてめめのケータイを手に取ってしまった。慌てて画面を間違えて押してしまうと、そこには留守電がたくさん入ってた。

『一件です。もしもし？目黒さん？仕事巻いて終わらせたの聞きました。お疲れ様です。向井さんの体調はどうですか？また連絡ください』

『めめ？お疲れ。一件リスケしたって効いたけど大丈夫？康二の様子も込みで連絡して』

『蓮！康二は大丈夫か！？なんかあったらあべちゃんと行くから連絡してっ』

『めめ？あのー…えーと、涼太が夕飯持って行こうか？って。また連絡して』

マネージャーとメンバーからめめ宛にたくさんの励ましと心配なメッセージ。自分のせいでこんなに迷惑をかけてしまったのかと泣きそうになる。

(めめ…忙しいのになんで…)