すのまんまの9人 3 (ページ24)

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それから４日。

何をしてても康二のことを考えた。
康二が何をしているかは、ファンの人たち向けのブログでしか把握できないくらい連絡も取れなかった。

そしてあの夢を見て目が覚める。
掴めない、康二の面影。

久しぶりの一日オフ。目が覚めた朝8時。
いつもなら康二の家に行くのは決まってるから、足も自然と準備に向かうのに。
今日は、ベッドから動きたくない。

いつもより広いベットの右側を見るように寝転ぶ。

(起きたら、俺の腕で寝てたのに…寝息感じてたのに)

康二と付き合う前の俺のことを思い出す。

今までの人生で、ものすごく落ち込むことがあっても自力で立ち直れる性格だった。
大事な親友と慰め合うこともあったし笑い飛ばしたりもした。
朝方までの自主練も、きつかったけどそれが自分のステップアップに繋がった時のことを思うと頑張れた。

それは今も変わらない。

康二と出会った時、守ってあげないといけないと思った。
優しいからこそ、その優しさで自分自身を傷つけないようにしてあげたかった。

でも恋人になって、康二の頼りになる部分とか大人な部分を知るたびにいつの間にか自分が甘える方になって、意外とクールな康二にずっと見ててほしくて。

そのまま離れていかないでほしいからと、追いかけて。
ずっとそばにいてほしいと欲張った。

その結果、離れかけてるんだけど。

(はぁ…もうやだ)

元気のない俺を心配するモコ。
モコのその可愛い仕草さえ、康二の甘えたな所に似てるなとか思ってしまって憂鬱な1人の時間になりそう。

prrrr……prrrrr……

康二かと思って画面表示も見ずに電話に出た。

mm「はい」
sk「蓮！おいっすー！今日オフなんでしょ！家行くわ！」
mm「あぁ、佐久間くんか。来ないでいいよ」
sk「ええー！なんで！？俺もオフなんだよ！？」
mm「知らないよ…何急に。もう切るよ」
sk「そんな冷たくしないでよー、康二のことで落ち込んでるんでしょ？なんか買ってくし飯くおーぜー！」
mm「……わかった、どれくらいで着くの？」
sk「あ、もう家の下！」
mm「…開けるわ」

朝から元気なめんどくさい先輩。
でもその元気で康二のこと紛らわせそうだと思ったら、康二のことなんか知ってるみたいだった。