すのまんまの9人 3 (ページ16)

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iw side

iw「ただいま〜」
fk「おかえり〜、あれ？早くない？」
iw「んー、早く終わった」
fk「そう、なんだっああ！」
iw「何してんの？」
fk「…落ちた」
iw「ああ、ゲームね」

会いたくなって帰ってきたら、1日オフだったふっかは度入りのメガネをかけてゲームをしていた。
一緒に住むようになってから、俺がいる時は基本ゲームをしなくなったからちょっと珍しい光景。

fk「あ、あぁ…照ごめん、このステージだけ」
iw「見てるからいいよ」
fk「こっち座る？」
iw「肘打ちくらいそうだからこっち座る」
fk「分かった！」

ソファーの真ん中を独占して口は半開きの恋人をダイニングの方に座って眺める。

(…なんか、いいな。この感じ)

相変わらず、ゲームの時は変な声出てるし全然アイドルっぽくない。1人でしゃべってるし。
それでも猫背の背中をみて可愛いと思う俺も結構重症。

2人で過ごす休日はいつも穏やかだ。
起きたら部屋の掃除したり洗濯をして、出かける時はお互いの服を選び合ったりして。
ラーメン食べに行ったり、俺の筋トレに付き合わせたり。

毎日が2人のものになっていくほど、ふっかはゲームをしなくなる。
してもいいよと言っても、俺と話す方が楽しいと横でニコニコしてるのが愛おしかったりする。

fk「あー！無理だぁ…終わる」
iw「もういいの？」
fk「うんっ…めぇ、疲れたし…」

少し目を擦りながら俺に近寄ってくる。

fk「ちょっとだけ…」
iw「ん？」

俺の首に巻きついてぎゅーっと抱きつく。

iw「ふふ、お疲れ」
fk「久しぶりにやったらちょっとなまってたぁ…これじゃあ康二に負ける」
iw「俺といてもやればいいじゃん」
fk「ええ…照との時間減る」
iw「なんで？」
fk「だって俺徹夜とかしちゃうもん」
iw「そーゆう日があってもいいじゃん？」
fk「まじ？じゃあ久しぶりに気合い入れようかなぁ」

少し嬉しそうにソファーに戻ってく。
いつの間にか、全部が2人用になった。
物も時間も2人が基準になった。
それでも1人の時と変わらない時間を過ごしてほしいって思ってる。

iw「ふっか」
fk「んー？」
iw「ありがとね」
fk「何が？」
iw「一緒に住んでくれて。窮屈かもしれないけど」
fk「うぇーなんで？俺、照が毎日家にいるの結構嬉しいよ？」
iw「…そっか」
fk「うん、うぉ！きやがったな！」

一生懸命な後ろ姿。
1人だったふっかの当たり前に、俺をいさせてくれる。
それが当たり前になってくこと。

その毎日に、ありがとう。