すのまんまの9人 3 (ページ15)

今日:64 hit、昨日:40 hit、合計:96,314 hit

＊ページ15

dt side

みんなが帰った部屋を片付ける。
綺麗に完食してくれたおかげで片付けも早く終わった。

(会いたいとか言ったら困るかな？)

そう思いつつも、たまにはわがままになってもいいんじゃないかと勇気を出して連絡してみる。

『会いに行ってもいい？』

既読は一瞬で着いたのに、返事が来ない。
さすがにこんな時間からは迷惑かな。

ブブっとスマホが鳴る。

nb『いいよ、着いたら連絡して』

案外素直な返信に、翔太も会いたいとか思ってくれてるのかなと勝手に期待して家を出る。

(プリンとか…買って行ったら喜ぶかな)

コンビニに寄り道しているかも分からないおやつを買っていく。たぶん、めちゃくちゃ喜んで食いつく気がする。

歩いて15分。
『着いたよ』と連絡するとドアを開けてくれる。

nb「…おう」
dt「こんな時間にごめん」
nb「いいけど…なんか用？」
dt「えっと、プリン食べる？」
nb「…食べる！」

やっぱり、ツンツンしてくるくせに甘いものには弱い。
プリン作戦は最高だ。

翔太の部屋は相変わらず生活感がない。
最小限のものしかないのも翔太らしいと言えばらしい。

nb「なんか飲む？って言っても水しかないけど」
dt「だと思ってコーヒーとカフェラテ買ってきた」
nb「さすが」

2人でソファーに座ってプリンを食べる。
コンビニの安いプリンは、いつもより美味しく感じる。

nb「彼氏会はどうだった？」
dt「なんか面白かったよ。恋人ってこんな感じなんだなって」
nb「あー、それ俺も思った。ちょっとずつ個性あるよな」
dt「彼氏会にラウもいてさ」
nb「おん」
dt「ニコニコ俺たちの話を聞いてくれるしトーク回してくれるし、すごいなーって」
nb「さすがだな」
dt「そのおかげかせいなのか、みんな自分の恋人に会いたくなって、今に至る」
nb「…そうなんだ」
dt「うん」
nb「……」
dt「ん？」
nb「涼太はさ、その…何話したの？」
dt「翔太の好きなとことか」
nb「…どこだよ」
dt「聞きたいの？」
nb「え、あ、なんかでもはずいな…いや、うーん」
dt「どっちよ」
nb「ぬあ！無理！恥ずかしい！」
dt「だと思った」

翔太、みんなに言ってないこと、一つだけあった。
お試しで恋人になってからそうやって当たり前みたく歩み寄ってくる、その健気さが一番好きだって。

dt「…ふふ、ありがとう」
nb「なにが？」
dt「んーん、そのままでいてね」
nb「変なの…」

変でいいよ。
照れ屋でツンデレな翔太とこうやって過ごせるから。