すのまんまの9人 3 (ページ2)

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眠れぬ夜の恋の話。ページ2

『dtnb』『kj、ab、fk』 nb side

旅行から帰ってきた日の20時。
家に着いて荷物を片付けていたら通知音が聞こえた。

nb「…？なにこれ、スノ彼女会？」

変な名前のグループラインができていて、メンバー俺、康二、あべちゃん、ふっかの4人だった。

nb「意味分かんないんだけど…って」

さっそく始まるトーク。
テンションが高いのは言わずもがな…

kj『なにこれー！』
fk『よくない？俺たちカップル組の彼女側ライン！」
kj『めっちゃいいやん！ふっかさんありがとう！』
ab『佐久間も入りたいらしいよ、隣で喚いてる』
fk『お前はあっちだ！』
nb『ちょっと待って』
fk『ん？』
nb『俺、彼女側じゃないでしょ』
kj『しょっぴーはこっちやで』
ab『それしかないでしょ』
nb『え？』

そんなこんなで始まった謎のグループライン。
意外にもすごくよく動く。

fk「この照かっこいい」

と、ふっかが写真を送りつけてきたり。

kj「めめが新しいコーヒー豆買ってきてくれてん！」

と康二に惚気られたり。

ab「佐久間が帰んないから勉強できない」

と惚気混じりの愚痴がとんできたり。

眺めるだけで幸せに包まれる惚気合戦。
恋人ができてから、こーゆうのも可愛いしいいよなって思えるようになった。

でも、俺はというと。
突飛として惚気られるような内容は特になかった。
ふっかと照みたいに毎日一緒にいるわけでもないし、めめと康二みたいに常に連絡をとって会える時は常に会うこともしない。
あべちゃんと佐久間みたいに電話をたくさんするわけでもない。

今日暇?会える?なんて会話は週に2回くらいで、涼太の家に行ってご飯をご馳走になってのんびりテレビ見て帰る。

旅行後もその生活は変わらない。
あんなにキスしたのに、まるで夢だったみたいにいつも通りになった。

あれはきっと特別な魔法だった。
そもそも俺たちはお試し期間だしお試しなのにあんなふうになったのは、いつもと違う場所での2人だったからであって、日常には反映されない。

nb「なんもないな…俺」

別に、自慢したいわけではないのだけれど。