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ab side
ab「佐久間?」
sk「ん?」
ab「会いたかったのは分かるけど…」
sk「うん…」
ab「なんでそんなに匂い嗅ぐの?」
sk「俺と同じ匂いになった亮平だから」
佐久間の家について、もう遅いからとあっため直してくれたお風呂に入った。髪の毛を乾かそうとしたらやってくれるって言うから甘えたのに。
ab「髪の毛、乾かしてくれるんじゃないの?」
sk「するよ、するけど…もう少しだけ」
ab「風邪ひいちゃうから」
sk「はぁーい」
いつも、お互いの家にいてものんびりとお互いのやりたいことをする俺たちなのに、今日は珍しく離れない。
sk「乾いたよ」
ab「ありがとう」
sk「ん…ぎゅってしていい?」
ab「いいけど…」
後ろから伸びてくる白い腕。優しく少し甘い匂いがする。
ab「どうしたの?なんか今日甘えたい日?」
sk「…亮平がいない日、久しぶりすぎてゲームとかしてたんだけどアニメも見てたし…でもなんか寂しくて電話きたの嬉しくて待ってた…でも遅かったから」
ab「ごめんごめん、ちょっと話しすぎちゃった」
sk「翔太たちと何話してたの?」
ab「んー…好きな人の話?」
sk「…俺のこと?」
ab「そう。みんなびっくりしてたよ、電話越しの佐久間がイケメンすぎて」
sk「いつも騒いでるわけじゃないもん…ていうかみんなに聞かれてたのか」
ab「なんか、よかったよ。みんなの惚気話聞くの」
sk「…どうだったの?」
ab「翔太と舘様がすんごいよかった」
sk「そうなの?」
ab「うん…お互いをよく知ってるのに、まだまだ初々しくて静かにお互いを思い合ってる感じがよかった。なんか2人を見てると、自分たちも恋人に会いたくなっちゃってさ」
sk「…俺もそんな感じだよ?」
ab「ふふ、知ってる」
いつももう少しひっつきたいって思ってるはずなのに、勉強してる俺の邪魔をしないようにアニメ見たりゲームしたりしてること。
電話をかけたら一発で出てくれることも。
何をしてても笑顔で甘やかしてくれるのも。
sk「俺ね、亮平のいる生活音が好きなんだよね」
ab「生活音?」
sk「うん。勉強してる時に何か書いてる音とかお茶淹れる音とか、あっつって言ってる声とか、パタパタ小走りで部屋を行き来してる音とか。全部が心地よくて…だからお互いが何しててもいいんだよね、いるって思えるから」
ab「そうだったんだ」
sk「でも今日くらいはさ、少しだけひっついてていい?」
ab「いいよ」
佐久間、もう少しだけ起きてようよ。
まだ寝たくない夜、言葉を交わそう。
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こるこる - 大好きです!応援してます!! (7月26日 18時) (レス) id: 9197daf582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:stanley | 作成日時:2023年7月16日 1時