枷【オリジナル】 part２ (ページ10)

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１０：青野雅尋

大広間に、各寮の監督生と、能力大会に参加する生徒が集まっていた。

青野は、イレンの生徒が集まっているところに、広瀬を見つけた。

「周ちゃん」

青野は、広瀬の傍に行き、声をかけた。広瀬は、青野に手を振った。

「周ちゃんも出るの？」

青野がたずねると、広瀬は苦笑いして、首を横に振った。

「咲くんのかわりだよ。あの人、今日提出しないといけない宿題を、してなかったから」

「あぁ・・・。そうなんだ」

と、青野は頷いた。

ちょうどいいタイミングで、前に立っていた河谷が口を開いた。

「紳士淑女の諸君、今日はよく集まってくれた」

大広間は静まり、生徒たちは河谷を見た。

「能力大会は、この学校の伝統行事じゃ。・・・戦いは厳しいものになる。みな、覚悟はできて

おるな？」

数人の生徒が頷いた。河谷は、その生徒たちに微笑んだ。

「よろしい。・・・さて、能力大会では、二種目に挑んでもらう。二種目目には、一種目の上位三

人が出場できる」

河谷は、大広間を見渡した。

「では、出場したい選手は、前に名前を書きに来るのじゃ」

その言葉で、生徒たちは、ぞろぞろと前に出てきた。そして、自分の名前を紙に描いた生徒から、

大広間を出ていった。