貴方のことが嫌い【鬼滅の刃】 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:45,008 hit

モノノ怪ページ9

『そうえば...薬売りさんが言ってたモノノ怪ってなんですか?』

｢人の情念や怨念があやかしに取り憑いた時、それはモノノ怪となります｣

薬売りさんの仕事はそんなモノノ怪を｢退魔の剣｣という変わった剣で斬るということらしい。
もちろん薬売りやってるのこと。

｢ここです｣

そこはとても大きな御屋敷。
もしかしてここにモノノ怪がいるのか。

入ろうとすると、怖い門番さんに止められてしまう。
薬売りさんはなにも許可を取ってないらしい。大丈夫なのか。

押し通ろうとする薬売りさんに耐えかねた門番さんは.....

私たちは捕らえられた。

なんでこんなことに。
しかも包丁なども奪われてしまった。

『薬売りさん!なんで無理矢理なんか...』

｢すいません。気おつけます｣

と言う薬売りさんだが、あまり反省の色がない。
本当に大丈夫なのだろうか。

｢ギャアアアアアア!!!｣

女性の悲鳴が奥の方からした。

薬売りさんは｢きた｣と言い、嬉しそうに口角を上げる。正直不気味だった。
それから器用に縄を解き、私のも解いてくれる。

慣れている。毎回縛られているのか?

そのまま荷物を持ち悲鳴のした方へと向かう。

その場は血の海。
そこには花嫁衣裳の女性が大の字で寝転がっていて、目を見開き苦悶の表情を見せていた。
この血の匂いやこの現場。普通の人間ならば失禁ものだろう。

周りでは絶句し屋敷の人達がいた。

｢ああああ!!富江(とみえ)!どうして...｣

｢なんて無残な...｣

｢あ!お前ら!どうして抜け出している...もしかしてお前らが!｣

否定しようとしたとき、薬売りさんの表情が険しくなった。

空気が重くなる。

ふすまが勝手に閉まり大量の御札が貼られる。

たった十畳の狭い部屋の中に私たちを含めてこの屋敷の家族、旦那様、奥様、長男、次男、使用人の計七人だった。(名前は長いので省きます)

隣にはここの屋敷の長女の富江さんの死体。

みな非現実的な事が起こっていて黙って汗をかいていた。

｢モノノ怪が形をなすのは人の因果と縁(えにし)真とは事の有様。理とは心の有様。よって皆々様に真と理をお聞かせ願いたく候｣

シャランと鈴の音が鳴った。

｢....。と言われてもねぇ｣

と奥様はよそよそしい感じで他の家族に目を向ける。
他の人もうんうんうんと頷く中、使用人だけが俯き真っ青な顔をしていた。

薬売りさんが近づき聞いてみる。

すると使用人は口を開いた。