貴方のことが嫌い【鬼滅の刃】 (ページ6)

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出会いページ6

そのまま鬼は倒れてしまった。首は切ってないが、日が出れば燃え尽きてしまうだろう。

可哀想に。なぜこのような姿になったのか。
元はみんな人間だったのに。

｢鬼殺隊か｣

そう聞えた。先程よりも重低音の威圧感のある声。

これはまずい。本能がそれを警告していた。
顔を真っ青にして振り返るとそこには見るからに人間ではない..鬼がまたいる。

桃色の短髪に生気のない白い肌、満月のような瞳、身体中にある刺青。鍛えられた肉体は幾多の者を喰らい、戦ってきていることを物語っていた。

私では到底勝てない。そう思った。

｢...。一撃か...俺と戦え。お前の強さを見極めてやる｣

目の前にで一瞬で迫る。さっきの鬼よりも遥かに速く、強い!
なにか対応しないと...だけど、もう間に合わない。

だけど、鬼は拳をギリギリでとめた。

『?』

何が起こっているのか。鬼は私をじっと見て顔を強引に引き寄せてきた。
顔に爪がくい込み痛い。怖い。

｢....恋雪?｣

『え?』

聞き覚えのない女性の名前を言われた。誰のことだろうか。彼の知り合いなのか?
私と勘違いしてるの?

パッと手を離してしばらくの沈黙ができる。
そしてまたこちらを見た。

そのまま彼は何も言わずに闇の中に消えてしまった。

一体なんだったのだろうか。

喪失感がありながらも次の鬼の元へと向かった。

....。

....無理をしすぎてしまった。
相手が悪かった。あんなに強い鬼を五体も1人で相手にするのは分が悪い。

全身から出血した体を引きづって歩いていく。
しんどい。体が痛い。
意識も朦朧としてきた。

誰かが私の体を抱えてる?

.....。

目を覚ますと、そこは見覚えのある天井だった。ここは女将さんの屋敷?
私の体は包帯でぐるぐる巻きにされていた。

｢目が覚めたかい?｣

『おばあちゃん!』

ふすまを開けて女将さんが入ってくる。
お盆にはお粥が乗っていて私がしんどい時には作ってくれたものだ。

何年ぶりかに会って今まで溜め込んできたものが一気に溢れてきたような気がした。

気がつけば私は泣いていた。

『おばあちゃん!おばあちゃん!うぅ...しんどかったよォ!苦しいよ!もうやだよ...』

｢大丈夫。大丈夫。Aちゃんは優しいからね｣

と言って膝で子どものように泣いている私を撫でて慰めてくれた。
女将さんはやっぱり優しくて暖かかった。

ふと、ある疑問が私の頭に浮かぶ。

『おばあちゃん。私を運んだのって?』

｢それは私です｣

入ってきたんのは奇妙な着物をつけた男性。

それが私と薬売りさんとの出会いだった。