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嫌いなあの子 ページ4

『すいません。でも、確かに今月は20体ほど倒したんです』

「あ?この期に及んで嘘までつきやがるのか?」


傷だらけの男....風柱さんがイラついた声で話す。風柱さんは私のことが好きじゃないらしい。
私も彼のことは苦手だ。


「もう階級落とすか何かしたら?」


木の上から見下すあの人は蛇柱さん。この人も私のことが嫌いみたいだ。

でも、お二人の反応は当然で。
いつもいつも討伐数が少ない私がこんな階級なのをよく思わないのは当たり前だ。

だけど、私は本当に嘘はついていない。

ただ、誰もそんな話を信じてくれないだけ。
柱全員の視線が突き刺さる。

彼も私のことをよく思っていなのだうか。


「もう鬼殺隊辞めて他の道探すのもアリかもしれませんよ?」


なんて心無いことを言うのは空柱の空音色葉。

どこからともなくやってきたあの子は、あんなに私が習得にかかった呼吸をわずか1週間で覚えて1ヶ月で柱にまでなった実力者だ。

だが、なにかがおかしい。

理由はわからない。

なにか彼女から変な感じがするのだ。
嫌な気配。

正直言って彼女が嫌いだ。あからさまに私に辞めて欲しいオーラを出す。

しまいには会議が終わり耳打ちで「才能ないならさっさと辞めれば?」と言われた。
絵に書いたような嫌な人だが、それでも他の柱からは私と違って愛想もよく可愛らしく愛される。

実力もあるし仕方がない。
私の”嫌い”は単なる醜い嫉妬なのかもしれない。

私もとことん嫌なやつだ。
愛想もないのだから救いようもない。

会議も終わり柱はぞろぞろとまた別の場所に行く。
彼と腕を組みながら楽しそうに周りの柱さんたちに囲まれ話している。

さっきの怖い顔がみんな嘘みたいだ。
この場に惨めな私を残して去っていく。

涙をこらえて私も帰る。
まだ任務が残っていた。

「北東!浅草ニ鬼の潜伏アリ」

まるで歌を歌うかのように鬼の情報を告げた。
とても綺麗だなと感心しながら私は浅草に向かう。

バスに乗って向かう。

バスに乗るのは初めてだ。
興奮を隠しきれずに辺りを見回してしまう。
周りから少し可笑しそうに小さく笑われて恥ずかしくなってそのまま席についた。

隣には黒髪の綺麗な女の人が座ったいる。

手を口に当てながら上品に笑う彼女に私は綺麗と口に出してしまった。
すると彼女は少し驚いたような顔をしてまた綺麗に笑っていた。

藤の花の匂いがした。

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みゅー(プロフ) - 小説すごく面白いですね!応援してます!更新頑張ってください! (2019年10月22日 13時) (レス) id: d84ed5b956 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘喰い | 作成日時:2019年9月25日 21時

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