貴方のことが嫌い【鬼滅の刃】 (ページ3)

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旅立ちと今の現状ページ3

｢じゃんじゃん酒を持ってこーい!｣

屋敷中に大きな声が響く。

誰が叫んでいるのだろうと思えば、自分よりもひとまわりもふたまわりも体の大きな男性。確か....鬼殺隊の宇髄さんといったような。

銀髪の少し長めの髪がキラキラと光ってる。
顔もとてもお綺麗な方だった。
こんな人が鬼を殺す人なんて考えられない。

すると、宇髄さんと目が合ってしまった。

｢なんだ?俺の派手さに見とれたか?こっち来いよ｣

声をかけられ当辺りを見回す。だけど、私以外に人はいない。
自分かと聞くと宇髄さんは大笑いして頷いた。

恐る恐る近くまで寄る。

｢お前面白いな!それに顔も派手でいい!｣

”顔が派手”というのは褒め言葉なのでしょうか?だけど、良いって言ってるから褒め言葉なのか。
鬼殺隊には変わった方が多い。あの最終選別で生き残った人も少し変わっていた。

....。

数日後、やっと刀が届いた。

正方形の木箱を開けると、そこには刀ではなく少し大きめの...肉切り包丁が入っていた。

『....まさかこれ?』

木箱の中には手紙がある。
手紙の内容は

この刀を打ったものです。
玉鋼は非常に小さく刀を作るほどの量はありませんでした。申し訳ございません。
ですが、それよりも強力で折れにくい物を作りました。
刀より距離は短いですが、切れ味や強度はあります。
是非使ってください。

宛名はなし。だけど、私のために打ってくれた刀...もとい包丁だ。
大切に使おうと思った。

....。

｢旅立つのかい?｣

『うん』

女将さんは少し寂しそうに私に話しかけた。
短い間だったけど、私にとって女将さんは家族のような存在になった。
優しくて暖かくて。

『おばあちゃん。また必ず戻ってくるね』

それだけ言って女将さんを抱きしめて。
ケースに入れた包丁を持って7色に輝く鳥と共に私は出ていった。

....。

『はぁ....』

行きたくない。柱の集まる会議には行きたくない。村田くんが言ってた。

下の子が最近質が悪いらしい。
上の教育がなっていないから。と
散々怒られたって。

私もそのことを言われるんだろうな。
自分なりに一生懸命やっているつもりでも上にとってはまだまだ足りないらしい。

全身が骨折しても鬼を倒した。
今月は柱よりも多く倒そのまま鬼は倒れてしまった。
なのに何故か────

｢今月もお前が一番討伐数が少ないなどういうことだ?｣

私の倒した鬼の数が一番少なくなっている。

数年前の旅立ちが懐かしい。

もう鬼殺隊を辞めてしまいたい。