貴方のことが嫌い【鬼滅の刃】 (ページ14)

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新しい先生ページ14

随分と長いこと抱きしめられていたけ...だんだん息苦しくなってきた...。

胸が...胸が苦しい!
は、発育の暴力だ!

『カナエさん...く、くるじい』

｢あ!ごめんね!つい...妹を思い出してね｣

『妹さんがいるんですか?』

｢まぁ...それより!出来じゃない!すごいわ!｣

なんか話逸らされたような....?

でも、カナエさんに褒められてとても嬉しかった。
私にもお姉さんがいたらこんな感じなのかなぁ。

｢本当にこんな短期間で習得できるのは素晴らしいことよ!あなた才能あるわよ!｣

『カナエさん...』

｢泣かない!泣かない!｣

今まで否定されてきたのにカナエさんに褒められて優しくされて辛いのが一気に吹きとんだ気がした。

すると、カナエさんがニコリと笑った。

｢もっと強くならない?｣

『はい!なれるものなら!』

｢ならもう一つ呼吸を覚えましょう!｣

もう一つ?もしかしてカナエさんはもう一つ呼吸を覚えているのだろうか?

さすが柱だなぁと思っていたら、なんでも他にそういう子がいるらしい。

屋敷に戻ってみると玄関先で薬売りさんが待っていた。

『薬売りさん』

｢またお客さんですよ｣

薬売りさんの隣から出てきたのは私と同い年か少し年下ぐらいの男の子。

頭には狐のお面に口元には大きな傷。
変わった柄の着物はどこか見覚えがあった。

｢彼に次は教えてもらいます。水の呼吸を｣

『あの水柱さんとかが使っている?』

｢そうだ。俺は胡蝶さんのように甘くはないから覚悟しろ｣

私と同い年ぐらいなのにあの威圧感にゴクリと喉を鳴らした。

とんでもなくしんどそうだ。

『ゲホッゲホッ!うぅ....』

｢まだだ!そんなものは男ではない!｣

『男じゃないよ...』

錆兎くんの稽古はキツイ。
本当にカナエさんよりもキツかった。いつでも吐血して手はマメが出来ていた。

痛すぎて泣きたくなった。

私男じゃないし、こんなに辛いなんて知らなかったし、なんでこんなに扱いひどいの?

天邪鬼になる日もあった。

そんな日にはいつも真菰ちゃんとカナエさんがおにぎりと味噌汁を作ってくれた。

後で作り方教えてもらおうかなぁ。

｢少しいいかい?｣

『なに?おばあちゃん』

｢鬼殺隊...やめていいよ｣

『え?』

いきなりそう言われた。
ダラダラと嫌な汗が出る。もしかしたら私ができない子だから?

変な考えがよぎる。

だけど、答えは予想外で。

｢いつもAちゃん辛そうでね。辛かったらやめてもいいんだよ?｣

やっぱり女将さんは優しかった。

『ううん。私まだ続けたい』

ありがとう。おばあちゃん。