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再会 ページ12

「あ...あぁ...富江さん...富江さん」


使用人はただ呆然とあの人の名を呼ぶ。
廃人にでもなってしまったのだろうか。


「あの...薬売りさんでしたっけ」

「はい」

「ありがとうございました。彼女も...報われればいいと思います。では...」


少し...彼の顔は柔らかくなったような気がした。

夕暮れの中、薬売りさんと歩く。


『あれは...鬼じゃなかったんですか?』

「さぁ..鬼でも鬼舞辻に作られた鬼とモノノ怪の鬼。違いますらね」

『...あの使用人さんは』

「それもわかりかねますね。彼女が決めることでしょう」


薬売りさんは静かにそう言う。
退魔の剣の事とかあの褐色の人の事とか聞きたかったけど、とても疲れててそんなこと聞く余裕もなかった。


「帰りましょうか」


眠くなった目をこすって歩き出した。



家....まぁ、女将さんの住む藤の屋敷の方が正解なんだけど。


『ただいま』


私はもう一度ここに住むことになった。
もちろんお手伝いつきで。


「御伽葬さん」


薬売りさんが手招きをする。
近くまで来ると、大きな薬箱の中にある包みを開けると中には茶色の固形物。

首を傾げているとそれをくれた。

甘い?これは一体?


「チョコレートです」

『ちょこれーと?』


都会の食べ物なのか。田舎者の私には西洋のお菓子は随分と珍しい。

しかも結構西洋のお菓子は高い。
もしかして薬売りさんはお金持ち?


「あとコレを教えておきたいですね」


出してきたのはモノノ怪の時に使っていた御札。
どうやらこれは鬼にも使えるらしい。


「危ない時にあった用です。あなたは色々寄せつけますから」

『どうしてそこまで良くしてくれるんですか?』

「あなたと一緒にいると面白いからお礼です」


薬売りさんは私が思っている以上に優しい人なのかもしれない。まぁ、変人でもあるけど。


「どうやらお客さんが来ていますよ」


玄関を見てみるとそこにはあのバスで出会ったお姉さんがいた。

相変わらず綺麗な人だ。


『あの時の!お姉さん!』

「また会ったわね。今日はここに泊まろうかしら」


お姉さんのために私は張り切って布団やご飯、お風呂の用意をした。

その間に女将さんとあのお姉さんが話していた。とても楽しそうに。

知り合いのかな?


『あの...お風呂の用意ができました』

「ありがとう。ここで働いているのね」

『はい。仕事の合間に』

「鬼殺隊の?」


驚きだ。知っていたのか。
政府公認の組織なんかじゃないから知ってる人は少ないはずなのに。


「改めて自己紹介ね。私はカナエ。元柱なの」

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みゅー(プロフ) - 小説すごく面白いですね!応援してます!更新頑張ってください! (2019年10月22日 13時) (レス) id: d84ed5b956 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘喰い | 作成日時:2019年9月25日 21時

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