あんたキス下手だね【五色 工】

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｢……でもさ｣





無言で悟りを開く私たちの静寂を奪い取ったのは白布。





｢五色は馬鹿だけどさ。馬鹿なりにあんだけ、お前のために必死ってことじゃねぇの？｣





五色を指差しながら、めんどくさげに言い放った白布は、少し頬を緩めると






｢あいつってさ、年上の彼女今までにいっぱいいたんだよ。でも、どいつもみんな相手から告られて、五色から振ってたわけ｣





衝撃的なことを言い放つ




いや、モテることは分かってたけど、そんなモテてたんか五色くんよ…






｢でも、お前の場合は違ったろ？五色が初めてお前のこと自分から好きになって、そんで、自分から告った。ある意味あいつにとってはAが初めての彼女なんだよ｣





優しげに目を細める白布はきっと、とても後輩思いないい先輩なんだろう。





｢そっ、か｣





五色のそんな想いなんて知らなくて、私は酷いことを言ってしまったのかもしれない。



きっと五色は五色なりに考えて




考えて考えて出した答えがこれなんだ。




行動は少しぶっとんでるのかもしれないけど

それも私を想ってのことで





｢ほんっと、バカなんだから｣





嬉しすぎて、頬が緩む



かわいいなぁ、なんて、思っちゃう。

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