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混戦と化し騒めく会場内。色々なところで事が起こっているため、目線がきょろきょろと動く。皆が皆一生懸命で、夢に向かって頑張っている。私だけが違くて、私だけが生きていなくて。……私だけが仮初の器で。どうして生きているのだろう。どうしてここにいるのだろう。そんなことがふと気になった。いつも考えていることだけれど、いつもよりも明確に。
彼らと出会い、仮ではあるものの共に歩いていて。なおのこと実感する。私は、ここにいてはいけない。……けれど、ここで立ち去るのは違うとも思っている。というより私にはここで生きるしか術はないのかもしれない。
「なんで、私なんだろう」
ふと呟いた言葉は周りに誰もいなかったからか。空気に薄れて溶けていった。
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作者名：小春 葵結 | 作成日時：2021年4月20日 17時
