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あの後お茶子ちゃんから一緒に見守りにいかないかと誘われたけれど、それは丁寧に断った。……正直見てしまえばまた元の世界に戻れなくなりそうで。死んでいるだろうにそんなことを考えるのはおかしいのだけど、でもどうしても難しかったから断り、ある程度クラスメイトの熱が冷めたところで声をかけて教室を出る。体全体に鉛が付いたかのように重かった。……何故かはわかりたくなかった。
家に帰り部屋を漁る。頭の中に謎の声が現れたから、その指示に従って。そうしていけば私の部屋にある机で紙を見つけた。一枚の紙。昨日見たときには何もなかったはずなのにあるそれに、驚きを感じはすれど嫌な気持ちは感じない。本当だったら私がいない間に家に入られたとか考えるはずなのに、どうしてもその考えには及ばなかった。
自然と手が伸び紙を見る。そこにはただ”個性”の説明だけが書かれてあった。
「……”個性”、夢……？ 強制的に夢を見せることができる……夢の内容は保持者自身が自由に決めることができる…………え、」
最後の一文に今までの出来事に納得がいくと同時に体が震えだす。どうして、なんで、……だってそれって。
書いてあったのはこんな一言。
”あなたが住んでいた現実では起こしえなかった夢のような出来事を起こせる。”
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作者名：小春 葵結 | 作成日時：2021年4月20日 17時
