東さんの夢事情 (ページ16)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:634 hit

15 ページ16

緑谷君以外の3人も戻ってきて講評の時間。やはり八百万さんが説明をし、それに一言加える形でオールマイト先生は次の戦闘訓練に向かった。
　次は私のチームの戦闘訓練だ。少し落ち込んでいたようなお茶子ちゃんは向かう私に気づいたのかこちらを見て一言声をかけてくれた。

「頑張ってね」
「……ありがとう」

　できることは一つもないだろうけど、それは本当だったら知らないから笑って言う。含まれる諦めには、気づかれなかった。そのことに安心する。

　私達のチームの戦闘訓練も始まり、障子君が複製腕を開き先に耳を出す。その耳がぴくぴくと動き、そして口に変わってどこに誰がいるかを教えてくれる。多分今葉隠ちゃん裸なんだろうな……大胆というかなんというか。
　私は動く気配だけ見せるが、即座に轟君に手で制される。大人しく従えば轟君は私達にこのビルから出ろと言った。そちらも同じく従えば数秒後に後ろから感じる冷気に本当に規格外だなぁなんて感嘆の息が出そうだ。

「……規格外だな」
「……本当に」

　まさか障子君から何か言葉が来るとは思わず驚くが、そのことは表に出さないように努めながら頷いた。不思議そうな視線を投げかけられていることには終ぞ気づかなかった。
　どうやらこちらが勝ったようで、勝ちの合図が大声で示されたと同時に今度は熱気がビルからやってくる。……本当に凄いなぁ。

16→←14