31 ページ33
「__ん___さん!__Aさん!!」
『嫌だ!触るな!』
私はベッドから起き上がって誰かの何かを叩いてすぐ離れる。
em「A……さん…?」
はっとして顔を見ればそこには怯えたエミさんが手を抑えながら立っていた。
『…ェ…ミさ…』
目からこぼれ落ちる涙が止まらない。私は唯一信頼していたエミさんを自分から突き放してしまったような感覚に見舞われた。何で私はあんなひどいことをしたのか。夢のはずだったのに。
でもいつかは正夢になるのではないか。
今まで一緒にいてくれた人達がいつかは離れていくんじゃないか。私はそれが一番怖かった。
私はどうしていいかわからずへたり込む事しか出来なかった。
em「!Aさん!」
心配して駆け寄ったエミさん。
em「大丈夫ですか?!怪我なかったですか!?ごめんなさい!余りにも起きなかったので…」
あたついているのか言葉が成り立っていなかった。
『…エミさんは……何で……』
em「……『何で』とは?」
『どうせ皆も私の事見捨てるんでしょ?…無能だから。役立たずだから。つまらないから。…私は何のためにここに居たの……?…ここに来なければ!こんな思いしなくて済んだのに!死んどけば…』
パンッ
ビックリして言葉さえも出なかった。頬はヒリヒリ痛い。私は叩かれた頬を抑えながらエミさんの方をむく。
em「ざけんな…」
『エミさ…』
em「ふざけんな!無能だからとか、役立たずだからとか、つまらないから?それが何だってんだよ!!」
……こんなエミさん初めて見た…いつも怒ることなんて一切無かったから。
em「何のためにここに居るのか? …そんなの…仲間だからに決まってんだろうが!!
何?無能だからここにいちゃいけないの?役立たずだからここにいちゃいけないの?そんなのふざけてるわ!!
何が見捨てるんでしょ?だ。俺がいつAのこと見捨てたんだよ!!
ここに来なかったら!俺はAに会うことなんてなかったんだよ!
俺はAに助けて貰ったんだよ…
だから…お前の事……見捨てる訳ねーだろ……!」
言い終わったエミさんからは大粒の涙が溢れていた。あぁ。私はどうしてこうも大事な人を泣かせてしまうのか。いちばん信用している人のことを…
em「もう…『死ぬ』なんて…言わんといて…」
声を震わせながらそう告げるエミさん。
『…ごめんねエミさん。…酷い事言ったり…叩いたりして…』
エミさんは静かに首を横に振った。
外は夕日が沈みかけていた。
132人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青色(プロフ) - コメントありがとうございます(´˘`*)はい!期待に答えられるように頑張ります! (2020年1月8日 21時) (レス) id: 6c7e99b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐー - やばい…自分語りになるんですけど、途中で泣きました…この作品が神すぎなのと、私が涙脆いならですかね…更新は少しずつゆっくりでいいので、続けて貰えたら嬉しいです!これからも頑張ってください! (2020年1月6日 21時) (レス) id: 0cbe7ccea4 (このIDを非表示/違反報告)
青いおばけ(プロフ) - コメント有難うございます!まだまだ更新していきますので待っていてください! (2019年12月20日 17時) (レス) id: 6c7e99b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかんの皮 - これってまだ更新しますか?!すごく楽しみなので!!作ってもらえるどホンッッッッットに嬉しいんですが、作らなくでもいいんですが、、、まぁ、できれば作ってもらえるとまじで嬉しいです! (2019年12月20日 8時) (レス) id: b2f70beae4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:青色 | 作成日時:2019年10月14日 12時