18、血 ページ24
血が出ていた。どんな存在でも、血が出ていたら絶対痛い。
でも、
あの人は、痛みに耐えていた。
私は男の人が立っていた場所の先を照らしてみた。
この先は――田んぼだ。
迷い、夜の街を彷徨う私にとって、男の人は「こっちだよ」と言ったのかもしれない。
その先に何があるのかは知らないけれど。
泥臭い匂いがツン、と鼻に来る。
この畦道は、虫の声がたくさん聞こえる。
虫たちは、私に「頑張れ」と言ってくれているのかな。
静かに、合唱して応援してくれる。
通る人も少ない場所なら、夜のナニカ達も静かにしてくれてる。
――静かだといいな。
そんな私の思いはあっさりと裏切られた。
畦道も「ナニカ」達がいる。
新種のモノもいれば、街で見かけたのもいる。
深呼吸して、もう少し歩いてみよう。
そう思って進もうとした私の足がピタリと止まった。
足をつかまれた―――のではなく進むわけにはいかなかった。
大きな袋を背負い、
人の姿で鼻から上は深緑のフードが覆う。
もし、今日がクリスマスで、彼の事を知らないのなら、子供たちは「サンタさん」と間違えるだろう。
――ゾムさんだ――
まだ、私の近くにいたのか、いや、今はそんな事よりも
「お兄ちゃんを何処に連れて行ったの?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Noel、wrwrdリスナー(プロフ) - 有難うございますッ!一回死んで来て生き返ってきます。 (2018年7月1日 18時) (
レス) id: b3f5fdbec1 (このIDを非表示/違反報告)
鬼龍院リュナ(プロフ) - お返事ありがとうございます！！新夜廻の方も見ました！！やっぱり凄い(語彙力破裂) (2018年7月1日 12時) (レス) id: d64f2d8932 (このIDを非表示/違反報告)
Noel、wrwrdリスナー(プロフ) - 鬼龍院リュナさん» お返事遅れましたすみません…ですが、有難うございます!出来れば、深夜廻も…(宣伝するな) (2018年6月28日 7時) (レス) id: b3f5fdbec1 (このIDを非表示/違反報告)
鬼龍院リュナ(プロフ) - ゾムさん夜廻さん当たり役やん...。あ、面白く読ませていただきました！これは凄い(語彙力消失) (2018年6月27日 12時) (レス) id: d64f2d8932 (このIDを非表示/違反報告)
Noel、wrwrdリスナー(プロフ) - オーバーしてしまったので、「２」いきます。44話からはそちらです。 (2017年11月7日 18時) (レス) id: b3f5fdbec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Noel、wrwrdリスナー | 作成日時：2017年9月10日 16時
