【wrwrd】夏が終わるその前に【深夜廻】 (ページ41)

今日:4 hit、昨日:19 hit、合計:21,243 hit

４１、吊ページ41

ガチャリ、と音が鳴る。

懐中電灯で廊下を照らす。

心臓が、バクバクいっている。

沢山の人が、目を閉じ、口から下を出して、首を吊っていた。

酸素が欲しくて、口を大きく開けている。此れでもか、という位に口を大きく開けている。

近くに寄った瞬間

びしゃり。

気持ち悪い音を立て、千切れた。

首から下は、影と一体化するように、溶けて消えた。

顔は、見る前に後ろに振り向いたため、見えなかった。

渡り廊下の長さはどれぐらいだろう。

とても長く感じる。いくら短くても。

後ろからの視線が痛い。まるで、牢屋に入れられて監視されている様だった。

やっと渡り終えたと思ったら後ろから、大きなものが落ちて、ガラスが割れる音が聞こえた。

見ると、シャンデリアが落ちていた。

上には、穴が開いていた。床が腐っていて、落ちてきたんだと思った。

其処は、見たことがある風景。

つい数分まで、歩いていた通路だった。

左側にあったドアを開けると電話の光が洩れている。

戻って来たらしい。

一つ、ため息をついて、階段を上がる。

手前から見て左側に、大きな血だまりが出来ていた。

更にもう一階あるのかと、ため息をまた一つついて、階段を上がる。

上がれば、また同じ光景。