3,夜 ページ4
打ち上げる音は徐々に少なくなっていく。
ヒュ〜、ドン!
其の音は花火終了のお知らせの音だった。今年はやけに短かった気がする。
花火に夢中になり、気が付いて辺りを見れば、真っ暗闇だった。
「…終わっちゃったね、花火。」
後ろへと歩みだした。そして、振り返った。
マンちゃんは、まだ、何もない真っ暗な空を見上げている。
「…マンちゃん?」
口を開いて、名前を言った。少し間を空け、
「…うん、帰ろう」
それだけを言って、此方に来た。
マンちゃんも、この暗さに気が付いたようだ。辺りを見回し、こう言った。
「暗いから、懐中電灯つけるわ
ええっと、どうやってつけるんやっけ?」
ポケットから、取り出して、カチャカチャといじる。
パチっと音がして、光が出る。とても明るい。今流行りのLEDというものだろうか。
俺はマンちゃんの背についていくことにした。何とも頼りない橋を渡る。
橋を渡ると、竹や、名前も知らない花が出迎えてくれた。
更に歩けば、今にも切れそうな、電灯が、地面を照らす。
しかもその電灯は、一定間隔に並んでいる様だ。数ｍ先にも電灯が見える。
しかし、三つ目の電灯を――橋を渡ろうとしたとき、其の電灯は、音もなく消えた。
「なんか、怖いね」
「せやなぁ…」
「…
マンちゃん、手をつないでくれる?」
恥ずかしいけれど、電灯が消えた事で、恐怖は何倍にも膨らんだ。足がブルブルと震える。
「うん、そうしよか。一緒に行こうな」
優しくも、手を取って。繋いでくれた。不思議と暖かい。
二人で手を繋いで、橋を渡った先に、掲示板がある
『命を大切に。
お困りの際は、此方の電話番号へ』
子供の俺は良く分からない。有名ゲームの作戦の一つにこういうのがあったな。
「―」
声が聞こえた。マンちゃんでもない声が。
――気のせいだよな。
気のせいだと思い、俺は無視をした。
その時、
虫の声が聞こえなくなった。何かの怯えている様だ。ピタリと鳴き止んだ。
「―」
その代わり聞こえてくるのは、あの声。
煩くて仕方がない。とても目障りだ。
耳を塞いでも、聞こえてくる。
我慢できなくなった、俺は立ち止まった。
「…」
2週間さぼってすいませんでした!!忙しかったんです！
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作者名：Noel、wrwrdリスナー | 作成日時：2017年12月4日 19時
