【wrwrd】夏が終わるその前に【深夜廻】 (ページ30)

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図書館から離れ、夜の町を歩く。

相変わらず、ナニカは夜の町にいる。

マンちゃんは何処にいるんだろうか?

歩いているうちに、家に戻ってきた。

階段前を通ろうとすると、

前から、暗い道から、小さい影が現れた。

「マンちゃんの犬…?」

まぎれもないそれは、マンちゃんの犬だった。

まだ、探しているのだろうか?家から抜け出して。

犬には、人には見えないナニカが見えると聞いたことがある。あの犬も見えているのだろうか?怖くないのだろうか?

マンちゃんの犬は来た道を引き返した。

此方です、とでも言っているのだろうか?

追いかけることにした。

一度歩いた場所でも、見たことがないナニカがいた。

近づくと、入れ口から3本の手をうじゃうじゃ生やしたポストの様なナニカ。

通せんぼをする魚みたいなナニカ。

手が無く、転んだら二度と起き上がれそうにない真っ黒なナニカ。

火の玉みたいで、静かに消えるナニカ。

ゴミ袋の中にいるナニカ。

関係ないけど、夏の終わりを感じさせる蝉の死体も落ちていた。

犬を追うため、夜を歩く。

危険もあったけど、何とか乗り超えられた。

犬を見つけた時は、石畳で出来た、道。その先には橋。

橋を渡った先で、気付く。

この先には廃屋があったことを。