26、怨(※書いてることは作り話です。ゲーム中には出てきません) ページ26
『グルッペン様は、何処かの神社の祀り神。縁切りの神様。』
皆、グルッペン様について聞かれたらそう答えるだろう。
この本はそれ以外にも多くの情報が詰まっていた。
グルッペン様の噂が流れ始めたのは、昔の事。昔と言っても、昭和の時。
夜、散歩をしていた若い男性が最初の目撃者。
明らかに街の住人ではない人影。
声を掛けようとした男性は、その場から逃げてしまった。
その人影の足元には死体があった。
四肢と首が裂かれた人間の死体。
家に走って帰り、家族にその話を聞かせた。
最初、「嘘だ。」とか「疲れているんじゃないか?」と笑い蹴飛ばされ、その意見は消えた。
その晩、男性はもがき苦しみ死んだ。
余りにも急なことなのだから、遺族は街の公民館に行って、そこの人に男性が言っていたことを話した。
公民館の資料を読み漁り、皆で出した結論はこうだった。
戦時中、此処に取り残されたとある国の兵隊が日本兵に見つかり、瀕死寸前まで痛めつけられ、裁ち鋏で四肢と首を切られ殺された、其の兵の怨霊ではないか、と。
兵は復讐するために夜を彷徨い見つけた敵を見つけ、自分を同じような目に遭わせ殺しているのではないか、と。
そのことを知った関係者は怨霊を鎮めるために、神社を作り、神と崇めた。
名前も、其の兵から取り、『グルッペン様』と名付けた。
其のこともあって、グルッペン様を見る人は居なくなった。
最後のページの11行目には、黒く塗りつぶされていた。
唯、一文字だけ、塗りつぶされていないところがあった。
『緑』という文字だけ。
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作者名:Noel、wrwrdリスナー | 作成日時:2017年12月4日 19時