【wrwrd】夏が終わるその前に【深夜廻】 (ページ18)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:21,224 hit

17、図ページ18

電車が通り過ぎた後は、何もなかった。

血は飛び散っていなかった。肉片も落ちていなかった。

幽霊だと、この夜の街を彷徨うナニカだと、確信した。

あの人は、電車に轢かれた人だったんだ。

そのあと、警報器の音もなくなって、静かな時間が戻ってくる。

マンちゃんが飼っている犬は、上がったと同時に駆け抜けていく。

何を探しているのだろう。

もしかして、マンちゃんを探しているのかな。俺よりも早く見つけたいために駆け抜けていったり、威嚇したりしたのかな。

男の人の事と犬の事を頭の隅に置き、本来の目的を引っ張り出す。

まだ道は長い。早く行こう。マンちゃんが待っている。

踏切を抜けた先にも、ナニカ達はいっぱいいた。

大きななたの様なものを持って徘徊する目が無くて口が大きいナニカ

黒い靄の様なもの中に灰色の顔の様なものがあるナニカ。

石を投げたり、草むらなどに隠れてやり過ごした。

そして、塀に囲まれた図書館を見つけた。

相当古い時代に建てられたらしく、ボロボロ。それを夜見るとお化け屋敷の様に見える。

木箱を移動させると、人が入れそうな位の大きさの穴を見つけた。

入った先は、駐車場だった。