【wrwrd】夏が終わるその前に【深夜廻】 (ページ13)

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12、橋ページ13

お地蔵さんに十円玉をお供えして、その場を立ち去った後、左へ歩いて行った。

見知った町とはいえ、夜。しかも、夜を彷徨う、ナニカもいる。

脅かすためだけに現れた黒い目玉、居座っている骨が剥きだしている黒い影、

跳ねたボールを追いかける宇宙人の様なナニカ。

俺を見つけてきては、驚かす奴もいれば、襲ってくる奴もいる。

姿は違えど、奴等は同じような存在。

だが、一つ違う雰囲気を醸し出しているナニカがいた。

ボールを追いかけるナニカの先、人がいた。

俺よりももっと年上で、静かにコツリ、コツリ、と響く足音だけを残し、夜の闇へと消えていった。

俺はそのあとを追うことにした。そこには、メモが落ちていた。

『お化けが怖くて進めなさそうな場所では、無理をせずに、回り道をしてみる事。』

遠回しに、この道は危ないと言っているのだろう、そう俺は解釈し、ボールが転がってきた道を歩くことにした。

その道にも、ナニカはいる。

不気味な顔を近づけてくるナニカ、大きくて道を塞ぎながら歩く巨大なモノ。

草むらでやり過ごしたり、刺激を与えないように、進む。

道を抜けた先は近くに川が場所あるだった。

「ワンッ!」

犬の声がする。

聞こえた先へと、走る。ついた先は橋。