ヒーローになんてなりたくない (ページ8)

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7.校内の散歩ページ8

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そして次の日。

朝早くに登校したAは、校内の散歩をすることにした

さすが国立であり有名校、施設も最新で広い

前世で通っていた公立とはえらい違いだ

「迷ったな、(定番だなオイ…)」

いいかげん、戻らないと……。

ここから1-Aまでどのぐらい離れているかも分からないし、早く帰らないと本当にまずい

頼りにならないリカバリーガール手作りの校内地図を見る

うん、分からん。

「あの」

「ふひゃ！？」

思わず奇声を発してしまったが、振り返ってみると、向こうもすごく驚いていた様子

「な、なんですか？」

できるだけ冷静に尋ねると、小さい声だが返してくれた

しかし決して目は見てくれず、視線は足元だ
話しかけてきたのは向こうなのに、なぜ震えている

「さっきから見てたんだけど……道迷ってるよね…？」

「は、はい(この人誰？先輩だよね…多分。)」

すると突然ハッとしてますます顔が暗くなり、廊下の壁に頭をつけ、ボソボソと喋りだす始末。

「どうしよう……今の言い方じゃ誤解されてしまうっ！
ずっと見ていたなんて不審者じゃないか……！」

この人、道案内しようとしてれてたっぽい
悪い人じゃなさそうだし、それに私から声をかけないと会話できなさそうだ

「すみません、私一年の修善寺Aといいます。
迷ってしまって…1-Aまでの道を教えてもらってもいいでしょうか？」

「……取り乱してごめん、俺は3年の天喰環。
……一年のフロアまで案内するよ、すぐ近くだから」

そう言ってあっちだと指をさす天喰さんに付いて行き、無事教室に戻ることができた

道中、お互いあまり喋らず少し気まずかったけど、二言三言の会話に天喰さんの性格がすごく良い人だ

「わざわざありがとうございました」

「……ううん、大丈夫だよ
じゃあ……」

3年と1年が一緒にいる事が不思議な光景だったようで、注目されていることに気づいた天喰さんはすぐに帰ってしまった

「おはよー！A！
カバンだけあったからびっくりしたんだよー」

「おはよう修善寺」

「おはよう透、尾白
ちょっとトイレ行ってた」

うん、とりあえず迷って遅刻せずによかった。

「環！さっき1年の女の子と話してたってホントか！？」

「うるさいよミリオ……
道案内しただけだから、……」

「天喰くん天喰くん！
1年の彼女できたってホント？」

「波動さんまで……」

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