王様のCANVAS Ⅱ【Reo】 (ページ3)

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玲於はわたしにこの絵を描いた時の思い出や

亜嵐との出会いの話

どうして正体を知られなくなかったのか

全部話してくれた。

玲於が15年以上経っても
わたしを覚えてて顔が分かった理由、

玲於を取り巻くみんなが、
わたしのことを知っている理由がやっと分かった。

「Aさんをモデルにした絵で売れたのもあるし、ずっと感謝と、申し訳なさがあった。それをいつかちゃんと伝えたくて。でも、Aさんがこの絵を描いたのが俺だって知った時の反応が怖くて言い出せなくて」

『昔ね、友達にこの絵の少女がAに似てるって言われて。それでこのポストカードもらったの。ずっと、幼い頃からこんな綺麗な絵を描いていたREGULUSってどんな人なんだろうなって思ってたよ』

「……どんな人だった？」

『うーん……まだ分からない。この半月くらいわたしが一緒に過ごしたのは玲於だから、玲於のことしか分からない』

「じゃあ、"玲於"はどんな人だった？」

『ちょっと……いや、かなり強引な所あるけど、周りの人に真摯に向き合ってちゃんと考えてて、優しい人だった』

わたしの言葉に対して少し目線を外してはにかむ玲於。

『わたしは、玲於がREGULUSだったって知っても、何も変わらない。圭佑とだって社長の息子だからって思って付き合ってた訳じゃないし、地位とか、お金とかはどうでもいい』

「そうだよね、ごめん。ありがとう」

『本当にわたしを描いた絵だなんて、しかもそれが有名な絵になってるなんて恥ずかしいけど、嬉しいよ』

「Aさん……俺、ずっとAさんに会いたかった。忘れられなくてAさんの絵あれからも描き続けてたし、無理矢理連れてきちゃったのは申し訳なかったと思ってるけど、今もAさんが好き」

『ありがとう。ずっと想われてたなんて幸せ者だね、わたし。最初は正体も教えてくれないし、とても怖かったけど、助けてくれて本当にありがとう。玲於が迎えに来てくれてなかったら、今頃どうなってたんだろうね。……もし、これからも何かあったら迎えに来てくれる？』

「うん、どこへでも飛んでくよ」

『……よし、炒飯の作り方、教えてあげよう』

「は？今？」

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