TETSUYA...10 ページ6
運転席と、助手席の間は、
フラットで、何もない造りになっている。
ただのソファ・・・みたい。
いつの間にか、
哲也さんがこちら側に来ていて、
思わず、身じろぎする。
・・・と、
くすっ、と笑われた。
『・・・何、ヤなの？』
「ヤ・・・なわけないじゃないですか、
緊張、してるんです」
視線を合わすことですら、
ドキドキする、のに。
『ははっ・・・
A・・・かわいい』
・・・・・
それ。
その、ギャップの破壊力…。
ずるい。
背中に手をまわされて、
抱きしめ合うと、
・・・・
すごく、精悍なカラダ付きをしていることを、
あらためて知る。
くすぐったい、と思ったら。
私の首すじを、哲也さんのくちびるが、這っていて。
そして、途中から、
・・・・・舌にかわる。
「・・・・・！」
・・・・・
やばい、です。それ。
『そうそう、俺、まだあの件、
・・・・ムカついては、いるから』
そう言って、
首すじを、強く吸われた。
「・・・・・っ！」
同じ場所に、
上書きされる。
『ケンチにされたときも、
・・・・そんな声だした？』
表情が見えない、けど。
すこし、笑みを含んだ声。
「・・・だして、ません」
た、たぶん・・・・
『・・・ふーん』
そのまま、鎖骨にくちづけられる。
・・・・・ん、
ふわふわして。
恥ずかしくて。
哲也さんの肩に手を回しながら、
思わず、目をつぶる。
.
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作者名：say | 作成日時：2017年2月7日 9時
