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何事もなく仕事を終え、今日も広すぎる部屋のソファに1人身を沈める。
今の仕事に就いて、もう何年経つだろうか。
自分の夢を諦め、お世話になっていた会社に拾ってもらってから、恩を返せるようにとがむしゃらになって働いてきたが、この部屋はただの会社員の俺1人が暮らすにはあまりにもデカすぎる。
下から持ってきた郵便を眺めていると、マンションの更新通知が混ざっているのに気づき、思わず手が止まる。
「もう3ヶ月前か、」
自分以外誰もいないのに、声に出した呟きはもちろん誰に拾われる訳でもなく、そのまま音となり消えていった。
仕事も、プライベートも大きな決断をすぐそこに迫られていて、なんだかもう全てがウンザリだった。
2年前、一足先にと言った形でこの家に越してきた時の俺はどうだったんだろう。
思い出そうとしても、幸せだったあの頃の気持ちを思い出すことすら難しく、空虚な現実に目を向けて虚しくなる。
お前がいれば何もいらないと、そう思いを確かめあっていたはずの気持ちは、今や俺からアイツへの一方通行になっていると、ひしひしと感じている。
もう潮時なのかな、
考えるのを辞めていた現実に目を向ける時がやってきたんだ。
タイムリミットは2ヶ月、どうすれば良いのかなんて全く分からなかった。
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作者名：mr | 作成日時：2021年5月25日 18時
