無邪気な時間は過ぎやすく 1 ページ10
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俺の初恋は少し遅い高校2年生の時。
同じクラスの隣の席の女の子に心が惹かれた。
なにがきっかけかなんてもう忘れたけど
この子を幸せにするのが俺の役割だと思ってた。
電車通学だったから使う駅は同じだけど、家は反対方向。
だから朝は駅で待ち合わせて、帰りは駅でバイバイがいつものことで。
だからいっしょにいる時間を少しでも長くするために、遠回りをして神社の石段に座ってお喋りをしたり川沿いの道をゆっくり歩いたり。
それが幸せだった。
いつものように神社の石段に座って話している時。
彼女が愛しくてたまらなくて目が離せなくなった。
そのことに気づいた彼女もこちらを見て
「紫耀くん、見すぎだよ」
なんて照れたように笑うから
『あのさ……抱きしめてもいいかな』
自然と出た言葉。
歩く時手はつなぐけど、それ以上のことは恥ずかしくて出来なかった俺たち。
こくんと頷くのを見て
『……力入れすぎたらごめん』
一言断ってから抱き寄せて俺の胸の中に包み込む。
「紫耀くん、あったかいね」
『うん』
「こんなにぎゅってされたの初めてだよ私」
顔を覗き込むと少し顔を赤くして俯く彼女。
『好きだよ』
「私も」
愛しくてどうしようもなくて、これが永遠だって信じてた。
でもお互いの行きたい大学が別々だと分かって、二人で話し合って別れを決めた。
距離なんてどうだって出来ると俺は譲らなかった。
でも
頑なに首を振る彼女。
卒業式の日。
バイバイ、また明日ね。と約束していた駅が
明日が来ないバイバイの駅に変わった。
新しい土地に変わったけど、俺の頭の中は彼女でいっぱいだった。
同じ大学にすればよかったのかな
でも過ぎてしまった時は戻らない。
まだ消せない電話番号
でも押せないボタン
声だけでも聞きたいのに
こんなに好きなのに伝えられないこの気持ち。
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ななみ - 怖い (2022年1月9日 7時) (
レス) @page16 id: 98339ad079 (このIDを非表示/違反報告)
凛＊(プロフ) - おもちさん» おもち様 コメントありがとうございます。私が書く紫耀くんは可愛くなりがちでして笑 またお話載せますのでよかったら読んでください！ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 0c2a5b983e (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - はじめまして＾＾初めてコメントさせていただきます！どのお話のカップルちゃん達かわいいですね＾＾お話楽しみにしてます！ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 611ef8c2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2021年1月18日 20時
