岸くん短篇 (ページ8)

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夜中のコンビニページ8

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「んー、アイス食べたい」

ぼそっとAが呟く。

『コンビニ行く？』

そう伝えると行く行く！と即答。

夜中だからメガネだけつけてドアを開けた。

『A』

右手を後ろに差し出すと

ぎゅっと掴まれる。

エレベーターまでの触れ合い。

これが二人とも大好きで

唯一外で触れられる時間。

エレベーターの扉が閉まると離すはずなのに

お互い離せない。

『なぁ。着く時だけ一瞬離すごめん』

「うん」

扉が開く寸前に手を離して

Aが先に歩き出す。

マンションの外は真っ暗で

遠くに走る車の音が聞こえるだけ。

コンビニは少し奥まったとこ。

怪しそうな車はない。

少し先に進んでるAに追いついて

さっきまで繋いでた右手でAの手を握る。

「ゆ……」

驚いて振り向くから

しーと黙らせて小指だけで触れ合う。

『A』

「ん？？」

『解かなくていい？』

「ほんとは解かなきゃいけないと思うけど

私は解けないよ。

嬉しいから」

『車もなかったし、たぶん大丈夫。

ごめんな、いつも我慢させて』

「優太と付き合う時に覚悟してたから」

また帰りも小指だけで繋げて帰ってきた。

部屋に着いて

玄関を開けてすぐにAを中にいれて

きつく抱きしめた。

「なに、優太？どうしたの？」

『いや、俺ほんとに好きだなって

噛み締めてた』

「なにそれ笑アイス溶けちゃうから早く」

とかいいつつ

ちゃんと背中に腕を回してくれる。

「大丈夫だよ。優太のこと大好きだよ」

少し体を離して、触れるだけのキスを１回。

『……アイス食べ終わったら続き……な？』